PMSのときに使える市販薬は?処方薬との違いについて解説

PMSの症状に悩みながらも、効き目のある市販薬に関して、どのような薬を選んだらいいかわからない方がいるのではないでしょうか。 

PMSのときに使える市販薬は多数あります。腰痛・肩こり・不眠・下痢・便秘・疲れ・めまいなど、さまざまな症状に対して適切な薬があります。

本記事を読み、自身のPMSの症状を把握した上で適切な薬を服用し、健康的な生活を送りましょう。

PMSとは?

PMS(月経前症候群)とは、生理前に3〜10日間続く身体的または精神的症状です。症状は個人差があり、その数は200種類程度あるとされています。

PMSの原因ははっきりと解明されていませんが、女性ホルモンの変化が関係していると考えられています。

生理の3〜10日前である黄体期に卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌が急激に減少し、ホルモン異常を起こすのが原因と推測されているのです。

【症状別】PMSのときに使える市販薬

PMSの症状がつらいときは、市販薬を活用しましょう。以下の症状によって使い分けてください。

  • ・頭痛
  • ・腰痛・肩こり
  • ・不眠
  • ・下痢
  • ・便秘
  • ・乳房のハリ・イライラ
  • ・ヒステリー・冷え・貧血
  • ・むくみ・めまい
  • ・疲れ・下腹部痛・頭重感
  • ・疲れ・だるさ
  • ・ニキビ

PMSになると、個人差はありますが、あらゆる症状が現れます。自身の症状を把握し、改善するために適切な薬を選びましょう。

頭痛

生理前は、卵胞ホルモンの分泌量が低下することで、脳の血管の収縮に影響が出てしまい、頭痛が起こりやすくなるとされています。

頭痛の際は、ロキソニンSがおすすめです。有効成分であるロキソプロフェンナトリウム水和物が頭の痛みを和らげます。小型の錠剤であり、胃への負担が比較的少ないのが特徴です。

腰痛・肩こり

生理前は、ホルモンバランスが乱れることで腰や首の血行が悪くなり、腰痛や肩こりが起こるとされています。

腰痛・肩こりの際は、フェイタス5.0、ロキエフェクトLXテープαなどの湿布がおすすめです。いずれも鎮痛・消炎成分を含み、肩や腰に貼ることで、痛みやこりが和らぎます。

不眠

生理前になると、ホルモンバランスの乱れにより、セロトニンの分泌が低下し、不眠に陥るおそれがあります。

不眠の際は、ドリエルがおすすめです。抗ヒスタミン成分により、不眠の症状を改善できます。生理前に眠りが浅くなったり、寝つきが悪くなったりした場合に服用することをおすすめします。

下痢

生理周期にともない、体内で分泌されるホルモン量が変化することで腸が収縮して下痢が発生するおそれがあります。

下痢でお悩みの方は、エクトール赤玉です。服用することで、腹痛をともなう下痢や消化不良を改善できます。

便秘

生理前に黄体ホルモンの分泌量が増加すると、腸の活動が抑制され、便秘が起こりやすくなります。

便秘でお悩みの方は、メタスルー 360錠がおすすめです。メタスルーに含まれる酸化マグネシウムが便を柔らかくし、スムーズに排便を促します。

乳房のハリ・イライラ

生理前に乳房のハリが出てきたり、イライラしてきたりする場合は、西洋ハーブであるプレフェミンがおすすめです。

有効成分であるチェストベリーが、脳下垂体へ作用し、女性ホルモンのバランスを調整してPMSの乳房のハリやイライラを和らげるとされています。

ヒステリー・冷え・貧血

ヒステリー・冷え・貧血などの症状が出る場合は、命の母ホワイト 360錠がおすすめです。11種類の生薬が血行を促進し、自律神経や女性ホルモンの乱れによる不調を改善します。

肌荒れ・乳房のハリ・倦怠感などにも効き目があるとされています。

むくみ・めまい

黄体ホルモンが増加し、体に水分がたまると、むくみやすくなります。また、腸からの水分の吸収が悪化し、吐き気やめまいなども起こります。

むくみやめまいでお悩みの方は、ツムラ漢方五苓散料エキス顆粒Aがおすすめです。五苓散は、体内の余分な水を排出し、体内の水分のバランスを調整することで、むくみやめまいなどを改善します。

疲れ・下腹部痛・頭重感

生理前は、血液が子宮に集まりやすいため、全身の血液の循環が悪くなる場合があります。血液の循環が悪くなると代謝が悪化し、疲れや腹痛、頭重感が起こるおそれがあります。

上記でお悩みの方は、当帰芍薬散がおすすめです。服用すると血行が良くなり、貧血や痛み、疲れなどが和らぎます。 

疲れ・だるさ

生理前のホルモンバランスの変化で自律神経が乱れると、疲れやだるさを感じやすくなります。これらの症状が出る方は、クラシエの漢方ワカゲン錠がおすすめです。

疲れてだるさを感じ、食欲などがないときも、クラシエの漢方ワカゲン錠を服用することで改善が見込めます。

ニキビ

生理前になると、黄体ホルモンの分泌量が増加することで皮脂量が増え、ニキビができやすくなります。

ペアアクネクリームWを使用すると、ニキビの原因菌であるアクネ菌を殺菌し、赤ニキビを抑制する効果が期待できます。

ニキビでお悩みの方は、ペアアクネクリームWを使用することをおすすめします。 

 

PMSのときに使える市販薬と処方薬の違い

医療用医薬品(処方薬)と一般用医薬品(市販薬)を比較した場合の違いは、薬の効力です。

医療用医薬品の場合は、副作用を抑えることよりも効き目が出ることを優先して作られています。一方で、一般用医薬品の場合は、誰でも購入することを想定し安全性を優先して作られています。

そのため、副作用を抑える目的で薬の成分を医療用医薬品より減らし、効き目が比較的弱くなっています。

PMSのときに使える市販薬を服用する注意点

PMSのときに使える市販薬を服用する場合は、以下の注意点を把握しておきましょう。

  • ・空腹時の服用は避ける
  • ・用法・用量・副作用を把握する
  • ・症状が出る前に服用する

用法・用量を守り、生理周期に合わせて薬を服用することで、副作用の影響を少なくすることが可能です。

空腹時の服用は避ける

たとえば、空腹時にロキソプロフェンやアスピリンなどを主成分とする鎮痛薬を服用すると、胃に負担がかかって荒れやすくなります。

PMSの市販薬を服用する際は、空腹時の服用は避けましょう。薬を使用する際は、食事を済ませてから服用してください。

用法・用量・副作用を把握する

薬を服用する際は、用法・用量を守らないと、副作用が強く出るおそれがあります。また、期待した効果が得られない場合もあるでしょう。

また、用法・用量が正しくても、副作用が出る可能性はあります。服用前に起こりうる副作用を把握しておくことが大切です。

症状が出る前に服用する

薬を飲む際は、症状が出る前に服用する必要があります。たとえば、鎮痛薬の場合、服用してから効果が出るまでは20~30分かかります。

痛みが出てから服用すると、その時間の間は痛みに耐えなければなりません。一方で、痛みを感じ始める前に服用することで、痛みを感じることなく過ごせる場合があります。

特にPMSの症状が出やすい方は、生理周期に合わせて事前に薬を服用しておくことをおすすめします。

PMSのときのケア方法

PMSのときは以下のケア方法を実践することで、症状が和らぐ場合があります。

  • ・食生活・生活習慣に配慮する
  • ・症状の具合を把握する
  • ・アロマでリラックスする

栄養バランスのとれた食事を心がけ、生活習慣に配慮しながら、ストレス対策を実践していくことが大切です。

食生活・生活習慣に配慮する

PMSの治療時には、マグネシウムやカルシウムを積極的に摂取することが大切です。マグネシウムを多く含む食材としては、ナッツ・ほうれん草・豆などです。

カルシウムの場合は、ヨーグルト・チーズ・牛乳・納豆・海藻などが多く含まれます。マグネシウムやカルシウムを上手にとり入れながら、規則正しい生活を心がけましょう。

症状の具合を把握する

自身のPMSにおける症状の内容について、日記をつけておくと対策が立てやすいです。いつどんな症状が起きるかが把握できれば、事前に薬を服用して症状が抑えやすくなります。

症状の発生頻度などを知り、適切な対処法を見つけておきましょう。

アロマでリラックスする

PMSは、ストレスによる影響を受けやすいとされています。そのため、ストレスをためない対策を実践することが大切です。

アロマをかいでリラックスしたり、適度に運動したりしてストレス対策をしておきましょう。

PMSのときに使える市販薬に関するよくある質問

PMSになると、さまざまな疑問や不安なことが出てくるかもしれません。PMSでお悩みの方は以下を参考にしてみてください。

  • ・他の薬と併用しても大丈夫ですか?
  • ・市販薬はどのぐらい服用し続けるべきですか?
  • ・なかなか効果が得られない場合はどうしたらいいですか?

PMSのケアをする際は、正しい知識をもって対処しなければ、期待した効果が得られないおそれがあります。

また、副作用を抑えながら期待した効果が得られるよう、PMSに関して十分な知識をもってケアしましょう。

他の薬と併用しても大丈夫ですか?

服用中の薬の成分と同じものが含まれている場合、過剰摂取となり、副作用が強く出るおそれがあるため併用しないことが望ましいです。

市販薬はどのぐらい服用し続けるべきですか?

薬にもよりますが、1ヶ月程度服用し続けて症状が改善しない場合は、薬が合っていない可能性があります。そのため、薬剤師に相談し、薬を変更してもらいましょう。

なかなか効果が得られない場合はどうしたらいいですか?

PMSの症状が深刻で日常生活に支障が出ている場合は、なんらかの疾患があるおそれがあります。速やかに婦人科を受診してください。

低用量ピルを服用すると、PMSでの症状が和らぐとされているため、症状に悩んでいる方は服用してみましょう。

PMSにおける診療の重要性

PMSは、直接命に関わる病気ではありません。しかし、人によっては痛みなどの症状が毎月起こり、日常生活に支障をきたす方がいます。

PMSの症状で日々の暮らしに影響が出ている方は、産婦人科を受診してください。また、日常生活に問題がなかったとしても、月経前の不調が定期的に続いている場合はすぐに診療を受けたほうがいいでしょう。

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PMSは、女性であれば誰にでも起こります。しかし、症状の出方は人それぞれ異なります。自分のPMSの症状を知り、対策をしておくことが大切です。

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