PMS症状を緩和するための治療法まとめ|対処療法からサプリ・ピルまで解説

PMS症状がつらくて治療したいと考え、どのような治療方法があるか探している方も多いのではないでしょうか。

本記事では、PMS症状を緩和する、治療法の種類とそれぞれの詳しい解説をします。対処療法から、サプリメントによる栄養療法、ピル治療まで、わかりやすく解説します。

自分に合った治療法を探してみてください。

PMSの治療法|薬物療法

薬物療法は、対処療法として、症状に応じた薬が処方されます。

おもに以下のような処方があります。

・鎮痛剤

頭痛や下腹部痛などが強く、日常生活を来たす場合、イブプロフェンやアセトアミノフェンなどの鎮痛剤が使用されます。

・抗うつ薬(SSRI)

気分の変動が強い場合や、PMSの中でも精神的な症状が強いPMDD(月経前不快気分障害)が疑われる場合、SSRIなどの抗うつ薬を活用することがあります。

・利尿薬/漢方薬

浮腫(むくみ)がひどい場合など、症状を軽減するために使用されることがあります。

PMSの治療法①ホルモン療法(ピル)

薬物療法が、症状に応じた対処療法なのに対して、女性ホルモンの分泌にアプローチするのが、このホルモン療法です。ピルを用いて、女性ホルモンを整えます。

ピルによる治療について、女性ホルモンとの関係性について解説します。

PMSとホルモンのメカニズム

PMSは、月経周期と女性ホルモンの変動が関係していると考えられています。

卵巣から分泌されているエストロゲン(卵胞ホルモン)と、プロゲステロン(黄体ホルモン)。エストロゲンは女性らしさなどをつかさどるホルモン、プロゲステロンは妊娠に向けて体の準備をするホルモンです。

この2つの女性ホルモンは、月経周期とともに分泌量が変動します。

女性には月経期、卵胞期、排卵期、黄体期があり、排卵後(黄体期)にはエストロゲンとプロゲステロンが多く分泌され、その後減少します。これらの変動によりPMSが引き起こされると言われています。

女性ホルモンの乱れを整えてくれるピル

低用量ピル(経口避妊薬) は、月経周期を安定させ、ホルモンの変動を抑えることで、PMSの症状を軽減する効果があります。 

特に、重度のPMSや精神的な症状の強いPMDD(月経前不快気分障害)に効果が高いとされています。

ただし、まれに血栓症等のリスクがあるため、過去に血栓症、心臓病、脳卒中の既往歴がある方や、ヘビースモーカーの方、40歳以上の方はピルの使用が出来ません。

女性ホルモンの分泌に関係しているため、乳がんの方、子宮体がんの方、ホルモン依存性腫瘍の方、産後6週未満の方も使用できません。不妊治療中、妊活中の方も同様です。

また、母乳育児中の方は、赤ちゃんへの影響を考え、注意が必要です。

PMSのピル治療については、以下の記事にて詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。

関連記事:PMS改善にはピルが効く|月経前のつらい症状を軽くするピルについて徹底解説

PMSの治療法②栄養療法(サプリ)

PMSの治療法として、ピルの使用をおすすめできない方や、薬やピルの服用を避けたい方は、栄養療法をご提案することがあります。

栄養療法について詳しく見てみましょう。

栄養療法とは?

栄養療法とは、PMSに良いとされる栄養素や患者に不足している栄養素を、食事及びサプリメントで積極的に摂取することにより、症状の緩和を目指す治療法です。

もちろん、サプリ自体に治療する効果はありません。

薬物療法が症状に応じて薬を処方する対症療法なのに対し、栄養療法では必要な栄養素を摂取することで、健康な体づくりを目指します。

栄養療法では、まず自分の体を知ることが重要なので、まずは血液解析(通常の血液検査より項目が細かい血液検査)を行い、専門家が分析します。

患者の体質や不足している栄養素を見極め、遺伝や生活習慣・食生活などを含めて根本原因を探ります。そのうえで、適切な栄養指導を行って調整していくのが、栄養療法です。

PMSケアに良いサプリを医師が処方

前述した血液解析によって分析された、患者にとって必要な栄養素は、食事と共にサプリメントが処方されます。

このサプリメントは、医療用サプリメントと言って、医師が処方するものです。

市販されていて、ドラッグストアやネット通販で気軽に手に入るものと違い、医師の処方でしか受け取ることができません。市販のサプリメントと違い、患者の治療の補助役として医師協力の元開発されたものですので、安心です。

なお、PMS症状のケアにおすすめのサプリについては、以下の記事にて詳しく解説していますので、合わせてご参照ください。

関連記事:PMS症状ケアのサプリメント選び|おすすめの成分と選び方のポイントも解説

治療以外のPMS対策は、生活習慣と食生活の改善がおすすめ

ここで、治療以外のPMS対策について解説します。

PMS症状を和らげるセルフケアの方法や、生活習慣などについて見てみましょう。

これらは、上記の治療と並行して意識して見ると良いでしょう。場合により医師の指導のもと行われます。

生活習慣の改善

PMSに影響を与えるNG行動を改善します。

お酒・たばこ、夜更かしなどは、自律神経を乱し、月経やPMSに影響を与える場合があります。規則正しい生活リズムが望ましいです。

とはいえ、仕事や育児でなかなかそうもいかない方も多いと思いますが、意識してみましょう。

例えば、寝る前になんとなくダラダラSNSや動画を見てしまうという行為をやめ、時間を決める、寝る直前はスマホを見ないなどの工夫も効果があります。

食生活の改善

偏った食事や冷たい飲み物、塩分や甘いもの・カフェインの過剰摂取は、PMSに影響を与える可能性があります。

カフェインは神経を刺激します。夜飲むと、神経を興奮状態に目覚めさせ、睡眠の質を低下させる恐れがあります。PMS期間中は特に避けるべきでしょう。代わりにリラックスできるハーブティーなどがおすすめです。

また、 栄養バランスの良い食事を心がけましょう。カルシウムやマグネシウム、ビタミンB6などの栄養素を含む食品を積極的に摂取すると、PMS症状の緩和が期待できます。

PMSケアにおすすめの食品

乳製品・小魚・イワシ・ブロッコリー・大豆製品・ナッツ類・種子類・バナナ・アボカド・ほうれん草・全粒穀物・チアシード・マグロ・鮭・トマトなど

ストレス管理

PMS症状がつらい時は、無理をしないことも大切です。充分に休養し、心身ともにリラックスできると良いです。仕事や学校で行かないと、と焦ってはいけません。貧血を起こす、嘔吐する、などの悪化の可能性があります。

ストレスを軽減する、自分に合ったリラックス方法を見つけてみましょう。アロマテラピーや半身浴、ジンジャーティーやカモミールティーなどのハーブティーを飲む、などおすすめです。

身体的な症状がつらくなければ、軽い運動もおすすめです。軽い運動は血液の循環を促し、精神の安定にも役立ちます。

どうしても精神的な症状が強くて攻撃的になってしまう、イライラする、落ち込む等の症状が強い方は、心療内科またはPMS外来へなるべく早めに受診しましょう。

PMSの治療を受けられる病院

PMSの治療を受けることが可能な病院は、婦人科・産婦人科やレディースクリニックです。内科でも可能な場合があります。

精神的な症状が強い場合は心療内科で対応することもあります。その場合はPMSの対応をしているか、ホームページか電話で事前に確認しましょう。

オンランクリニックのPMS外来も受診が可能です。

多忙で通院する時間を作れない時は、こちらが便利です。

受診前に、ご自分の症状と月経周期の関係などを記録しておけるとスムーズです。最近は月経周期や体調管理が手軽にできるアプリもあるので、ぜひ活用してみてください。

PMS症状の緩和治療なら、おうち病院「オンライン月経困難症・PMS外来」

PMS症状の緩和対策で治療を検討しているけど、毎日多忙で病院に行けない方には、おうち病院「オンライン月経困難症・PMS外来」がおすすめです。

どの治療法が良いかお悩みの場合でも気軽にご相談ください。あなたに合った治療法をご提案します。

また、婦人科やレディースクリニックへの受診はどうしても恥ずかしいという方や、誰かに見られたくない、という方でも、オンラインであれば自宅などお好きな場所からネットでご予約、オンラインで受診可能なので、プライバシーが保たれます。

処方された薬は、ご自宅へ配送かお近くの薬局薬店でお受け取りいただけます。

自分に合ったPMS治療の方法を見つけよう

PMSの治療には、さまざまなアプローチがあります。

薬物による対処療法、女性ホルモンの変動を抑えるホルモン療法のピル、栄養素の摂取による栄養療法がありました。また、自分でも心がける事として生活習慣の改善と食生活の見直しがありました。

つらいPMS症状には、ぜひ自分に合った治療法を見つけ、適切な治療を受けましょう。