ヘルペスの治療にステロイドは NG?効果の有無を解説

ヘルペスは、「単純ヘルペスウイルス」によって発症する病気です。ウイルスが活性化している場合は症状が強くなり、放置しても治癒するケースもあります。

そのうえで、「他の皮膚病で処方されるステロイドは有効なの?」「ステロイドをヘルペスに使用した場合はどうなるの?」といった疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。

そこで、本記事では、ヘルペスウイルスの概要にふれたうえで、ヘルペスにステロイドが効果を発揮するのかどうか解説していきます。

また、「顔面に症状がある」「かゆくてたまらないからすぐに診察を受けたい」という方は、おうち病院の『オンラインヘルペス外来』を活用してみましょう。

ヘルペスは完治しない病気 

ヘルペスには、次のような特徴があります。

・人口の8割程度の人が感染している

・唾液、皮膚表面、性器の接触などによって感染する

・タオルやグラスなどの共有でも感染する

・一度感染した場合、完治することはない

ではより詳しいヘルペスの概要について見ていきましょう。

ヘルペスの具体的な症状

ヘルペスに感染した場合であっても、普段は無症状であるケースも多く、体調不良などによって症状が出る傾向にあります。

ヘルペスの症状は次のような症状を引き起こします。

・皮膚や性器での水ぶくれやただれ

・帯状疱疹

・口周りの痛みや痒み

患部にふれることによって、他人にも感染するため、症状が現れた場合は内服薬での治療を行うことがほとんどです。重症化した場合は、注射を行うこともあります。 

ウイルスによって発症し再発を繰り返す

ヘルペスを内服薬や注射などによって治療した場合であっても、ウイルスそのものが完全に除去されないため、再発を繰り返します。

ヘルペスが再発する原因は次のような項目が挙げられます。

・ストレスや疲労

・免疫力の低下

・紫外線

また、再発の場合は24時間以内に抗ウイルス薬を使用しなければ効果を得られません。 

口唇に症状が現れた場合は、最もウイルスが活性している状態だと判断できるため、早めに医療機関での診察・治療を行いましょう。 

再発防止も薬によって行う

ヘルペスウイルスは再発防止を行うことも可能です。 例えば、年に6回以上ヘルペスを発症している場合には、内服薬を毎日使用することでヘルペスウイルスの活性化を防ぐことができます。

痛みや発熱などの予兆を感じた場合も抗ウイルス剤を使用した場合は、ウイルスの活性化を阻止できます。また、完治はないものの、再発頻度の間隔も長くなっていく点も知っておきましょう。

治療薬に関しては、次のような使い分けとなるケースが多いといえます。

ヘルペスにステロイドは効果があるのか

ここからは、皮膚の炎症でよく使われるステロイドはヘルペスに効果があるのかどうか解説します。

ステロイドは体内のホルモンを医療用として使用できるようにしたものです。患部によって強さのレベルが異なるものの、作用は次のようなものが代表的です。

・炎症を抑える

・免疫力を抑制する 

ステロイドにも内服薬や塗り薬、注射といった種類があります。

ヘルペス治療においてステロイドは意味がない

結論から言えば、ヘルペス治療の観点ではステロイドは意味がありません。ステロイドは炎症やアレルギー症状を抑えることが可能です。しかし、ウイルスに対しては効果がありません。

アトピーやかぶれなどであれば、ステロイドが使用されるケースは多いですが、ヘルペスにおいてはその限りではありません。

そのため、自己判断でヘルペスに対してステロイドを使用してしまった場合、より悪化する可能性があります。 

ヘルペスは専用の治療薬を使用する

ヘルペスに関してはバラシクロビル、アシクロビル、バルトレックスなどを内服することでウイルスの抑制が可能です。 塗り薬を使用するケースもあるものの、ほとんどの場合は内服薬として使用します。

そのため、ステロイドを皮膚に使用する場合と目的・効果が異なるといえるでしょう。

ステロイドによってヘルペスを再発することもある

ステロイドの内服は免疫力を抑制してしまうため、ヘルペスを再発することがあります。

その場合は、ステロイドを内服しなければならない次のような病気に注意しつつ、ヘルペスの治療も進めていく必要があるといえるでしょう。

・気管支炎 

・肺炎

・アレルギー疾患

例えば、皮膚に表れる症状として、混同されることも多いアトピーはステロイドが有効です。しかし、ヘルペスに対しては全く効果がなく、悪化してしまうケースも少なくありません。

そのため、ステロイドを内服している方がヘルペスを再発・併発してしまった場合は、医療機関に相談しつつ治療を進めていくことが大切です。 

ヘルペスの治療における注意点

ヘルペスの症状は水ぶくれや湿疹を伴うものであり、他の病気と見た目で判断できないケースも少なくありません。間違った治療方法を自己判断で行なってしまった場合には、より重症化する可能性があります。

そういった点も踏まえてここでは、 ヘルペスの治療における注意点について詳しく見ていきましょう。

ステロイドを使用してしまった場合はすぐに皮膚科へ

ヘルペスが発症している部分に関しては、ウイルスが活性化している状態だといえます。そのため、自己判断でステロイドを塗布してしまった場合にはより悪化する恐れがあります。

すぐに重症化する可能性は低いものの、すぐに皮膚科での診察を受け、適切な治療を受けましょう。 

ニキビや口内炎など他の疾患と判断がつかない場合も皮膚科へ

ヘルペスは口唇や性器などが症状としてわかりやすいものの、実は体のどこにでもできます。顔面、角膜、口内などでも症状が表れます。そのため、 医師でなければ判断が付きにくいケースは多いといえるでしょう。

また、、元々ニキビを発症している場合でもヘルペスを複合して発症することもあります。皮膚の炎症であればステロイドで治癒する可能性もあるものの、ヘルペスであれば悪化していきます。

自己判断でステロイドを使用する前に医療機関の診断を受けましょう。 

まとめ

ヘルペスは、ヘルペスウイルスによって発症するものであり、治療には抗ウイルス剤が必要です。ステロイドは炎症と免疫力を抑制するため、ヘルペスに使用してしまった場合、悪化するケースも多いといえます。

そのため、皮膚の疾患が現れた際は、ステロイド薬が手元にあったとしても医療機関の判断を仰ぎつつ、適切な治療を行うことが大切です。

また、おうち病院の『オンラインヘルペス外来』では24時間365日、医師による診断が可能です。

自己判断が難しいことも多いことから、「今すぐ症状を改善したい」「ステロイドを使ったら悪化した」という方はおうち病院の『オンラインヘルペス外来』を利用してみましょう。