多汗症はセルフチェックで早期発見。部位別のチェック方法も解説

「多汗症はセルフチェックできるのか」「セルフチェックで何を見ればいいの?」と疑問を抱いている方も多いでしょう。本記事では、多汗症のセルフチェック方法や実施するメリットを解説します。

目次

多汗症が疑われる症状が出ている場合、セルフチェックを行った後で医療機関の診察を受ける方もいます。一方で、多汗症かどうか自己判断し、放置しているケースは少なくありません。

そのため、「どのようにセルフチェックを行うのか分からない」というケースもあるのではないでしょうか。

そこで、本記事では多汗症のセルフチェックを実施するメリットや部位別のチェック方法を詳しくみていきます。

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多汗症とは

多汗症は、何らかの原因で体温調節に必要な量より過剰に汗をかいてしまう症状です。人間は恒温動物であるため、常に体温を一定に保てないと生きていけないといえます。

人間の体温は次のような場合に上昇します。

・気温が高い日や運動をした時

・飲食を行い、エネルギーに変える時

上記の場合に、エクリン汗腺から汗を分泌して体温を低下させます。そのため、汗の分泌は人間にとって必要です。

しかし、エクリン汗腺の機能が異常に高まることで多汗症を発症してしまいます。

多汗症のレベル別症状

多汗症の重症度はレベル1〜レベル3に分けられます。重症度によって発生する症状は異なります。ここでは、それぞれのレベルの症状を詳しくみていきましょう。

レベル1(軽度)

皮膚が軽く湿っている状態になるといった症状があらわれます。

自分では汗をかく量が多いと思っていても、他人から気付かれない程度の軽度の症状です。そのため、生活に大きな影響を与えることはありません。

レベル2(中度)

汗で皮膚が濡れていることが見た目で分かるなど汗の量が多く、日常生活に支障が出る場合もあります。

レベル2になると自分に接する相手に不快感を与えるのではないか不安になる方も多く、そのため、人とのコミュニケーションに支障をきたすケースも珍しくありません。

レベル3(重度)

汗をかく状況ではないにも関わらず大量の汗をかく、汗が滴り落ちることで悩むなど日常生活に支障が生じます。原因となる疾患を患っている場合、疾患の治療を行わないと多汗症の症状が改善されることはありません。

治療をせずに放置すると症状悪化のリスクもあるため、医療機関を早めに受診するようにしましょう。

多汗症のセルフチェックを実施するメリット

多汗症のセルフチェックを実施するメリットは、以下の2点です。

・早期発見につながる

・症状が出るタイミングを自分で把握できる

それぞれのメリットについて詳しくみていきましょう。

早期発見につながる

多汗症に関しては、「汗をかきやすいだけ」と判断し、治療を行わずに放置するケースも少なくありません。

しかし、セルフチェックを実施し、多汗症を発症しているリスクがあることが把握出来れば、医療機関を受診するきっかけになります。

また、多汗症が日常生活に与える影響は少ない場合であっても、症状が悪化して悩みの原因となるリスクがあります。そのため、治療を早期に開始することが重要です。

症状が出るタイミングを自分で把握できる

セルフチェックを実施した場合、多汗症の症状があらわれるタイミングを自分で把握できます。多汗症の重症度や症状があらわれるタイミングは人によりさまざまです。

汗が出るタイミングを把握していれば、タオルや制汗剤などで事前に対処できるため、トラブルの予防につながります。

部位別の多汗症セルフチェック方法

多汗症を発症しているかどうか判断する際に、セルフチェックは有効な方法です。脇・頭部・顔面・手・足といった部位別にセルフチェック項目が異なります。

それぞれの部位別の項目を取り上げていくので確認してみましょう。当てはまる項目が多い場合は、医療機関の受診を検討してみましょう。

それぞれの部位によって、基準が異なりますが、2つ以上該当項目の方は受診をおすすめします。

腋窩(脇)多汗症のセルフチェック項目は次の通りです。

・気温が高くない、運動をしていない時でも両脇に多く汗をかく

・左右で同量の汗をかく

・常に両脇が湿った状態になる

・衣服の脇の部分に目立つほど汗ジミができる

・両脇に1週間に1回以上は多量の汗をかいている

・汗が原因で日常生活に支障が出ることがある

・睡眠中は汗をあまりかかない

・家族・親族に多汗症を発症している方がいる

頭部・顔面

頭部多汗症のチェック項目は次の通りです。

・気温が高くない、運動をしていない時でも頭皮に多く汗をかく

・髪の毛が濡れるだけでなく、汗が滴り落ちる時がある

・両脇に1週間に1回以上は多量の汗をかいている

・汗が原因で日常生活に支障が出ることがある

・睡眠中は汗をあまりかかない

・家族・親族に多汗症を発症している方がいる

顔面多汗症のチェック項目は次の通りです。

・気温が高くない、運動をしていない時でも顔に多く汗をかく

・顔の汗が1日中止まらない時がある

・顔に1週間に1回以上は多量の汗をかいている

・汗が原因で日常生活に支障が出ることがある

・睡眠中は汗をあまりかかない

・家族・親族に多汗症を発症している方がいる

手・足

手掌多汗症のチェック項目は次の通りです。

・気温が高くない、運動をしていない時でも手のひらに多く汗をかく

・左右の手のひらで同量の汗をかく

・常に手のひらが湿った状態になる

・手のひらが汗ばみやすく、本やノートが濡れる時がある

・汗が原因で日常生活に支障が出ることがある

・睡眠中は汗をあまりかかない

・家族・親族に多汗症を発症している方がいる

足蹠多汗症のチェック項目は次の通りです。

・気温が高くない、運動をしていない時でも足の裏に多く汗をかく

・左右の足の裏で同量の汗をかく

・常に靴下が湿った状態になる

・足の裏に1週間に1回以上は多量の汗をかいている

・汗が原因で日常生活に支障が出ることがある

・睡眠中は汗をあまりかかない

・家族・親族に多汗症を発症している方がいる

ここで取り上げた部位ごとに該当する項目があるかどうか、確認してみましょう。

該当する項目によっても異なりますが、体温調整の必要がないのに汗をかく・汗が滴り落ちるなどであればレベル3、汗で湿った状態が他人が視認できるほど汗をかいている場合はレベル2などと分類できます。

レベル1は、湿っていると感じられる場合や睡眠中に汗をかかない場合などが該当します。

医療機関で行われている多汗症の検査

セルフチェックの結果として多汗症の疑いがあった場合、医療機関で受診しましょう。

医療機関では問診や視診を行った後で多汗症の検査を行います。検査方法として、「汗滴プリント法」、「重量計測法」「換気カプセル法」などがあります。

それぞれの検査方法について詳しくみていきましょう

汗滴プリント法

汗滴プリント法は、ヨードデンプンを染み込ませた紙を使用する検査です。

汗が出ているところに触れた部分の色が黒く変色するため、汗の範囲や量が分かります。その結果を基に多汗症の重症度を判定します。

重量計測法

重量計測済みのろ紙がついたビニール手袋を装着、またはろ紙を脇に挟むことで汗を吸ったろ紙の重量を計測して発汗量を調べる検査です。

時間に対しての汗の量を計測でき、治療の効果測定にも利用します。

換気カプセル法

発汗量を測定する箇所にカプセルを被せ、測定箇所に空気を送りこみ、皮膚を通過する前後の湿度を測定し発汗量を検査する方法です。

コンピューターを利用する検査であるため、発汗量が微量であっても計測できます。

多汗症が疑われる場合には診察を受けることが重要

多汗症は汗の病気であるため、放置すると日常生活に支障が出て生活の質が低下します。自然治癒は困難で、場合によっては精神疾患へと繋がる病気です。

そのため、多汗症が疑われる際には、体質だから仕方ないと諦めずに、気になる症状がある場合は医療機関で診察を受けることが重要です。

自宅で受診したい方には、おうち病院の『オンライン多汗症外来』がおすすめ

多汗症を治療したくとも、「病院に行く時間が取れない」「近くに診察してくれる医師がいない」と悩む方も多いでしょう。

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『オンライン多汗症外来』は、オンラインでの保険診療が可能です。自宅や職場など自分が診察を受けたい場所や時間で診察を受けられます。

また、専門医師が十分な時間を確保して対応してくれるため、丁寧な診察を受けられることも特長です。そのため、セカンドオピニオンとしての診察やセルフチェック後の診察、時間がない場合などに活用できるでしょう。

まとめ

多汗症には、軽度のものから重度のものまでさまざまな症状があります。そのため、症状によっては、日常生活に支障が出るケースもあります。

セルフチェックは自分が多汗症かどうか判断するためのものです。該当する項目が多いほど発症している可能性が高いといえます。そのため、多汗症が疑われる場合には、体質だからと放置せずに医師に相談しましょう。

しかし、、受診を検討されている方は、おうち病院の『オンライン多汗症外来』の利用をご検討ください。