多汗症とは汗を大量にかき、日常に支障をきたす症状です。多汗症の主な診断方法は問診です。必要に応じて視診や検査を行います。
人によっては、「多汗症かどうか気になるので診察を受けたい」「診察を受ける前に流れを把握しておきたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
そこで、本記事では、多汗症の診断方法、診断の流れや予防方法についても解説していきます。
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目次
多汗症は日常生活に悪影響を及ぼす可能性がある
日常生活に支障をきたすほど大量の汗をかく症状が多汗症です。発症している場合、流れ落ちるほどの汗をかいて、日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。
また、汗による不快な臭いに悩む人もいます。大量の汗によって水ぶくれや表皮がめくれるといった皮膚症状が出ることもあります。
汗が気になるために、対人関係や仕事、勉強などに悪影響をきたすこともあり、場合によっては、精神疾患の合併につながることもある疾患です。
多汗症診断の一般的な流れ
多汗症の診察では、汗の症状に関する「問診」が行われます。問診で聞かれる主な内容は次の通りです。
- 大量の汗で日常生活に困難を感じることはあるか
- 最初に症状が出たときの年齢
- 異常な量の汗が出る頻度は1週間に1回以上か
- 手・脚・脇などから出る汗の量に左右の違いはあるか
- 睡眠中の汗が気になるか
- 家族や親せきに多汗症の人がいるか
問診の後、実際に汗の状態を目で確認する「視診」、汗の範囲や量などを確認する「検査」へと続きます。
問診や視診の結果を踏まえ、必要に応じて検査を行うという流れとなります。
多汗症の検査方法
ここでは、3つの検査方法について解説します。
ヨード紙法
ヨードデンプンをしみこませた紙を使用して、多汗症の重症度を判定する検査です。汗の範囲の度合いにより、重症度を判定します。
- 軽度:発汗の多い部分のみ点状で変色
- 中等度:経度よりも多くの部分が変色
- 重度:全体的に色が変わる
汗に触れた部分は黒く変色するため、汗の範囲や量が把握できる検査方法です。
重量計測法
予め重量を計ったろ紙を付着させたビニール手袋を装着し、一定時間後に汗を含んだろ紙の重量を計測するという手法です。一定時間でかく汗の量を計測し、汗の量から重症度を判定します。
血液検査
多汗症の原因には様々なものが考えられるため、汗の量や範囲だけでは病気の要因を判断できないケースも珍しくありません。場合によっては、別の病気でないかを確認するために、血液検査を行うことがあります。
多汗症の予防方法
交感神経が過敏になったことで多汗症が引き起こされていると診断された場合には、交感神経の刺激を押さえる、ストレス解消を行う、塩化アルミニウム入りの制汗剤を塗布しておくなどの方法で予防できることがあります。
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ここでは、多汗症の予防方法を4つみていきましょう。
食生活の改善
辛い物、酸味の強い食べ物には、交感神経の働きを優位にする作用があります。例えば、カフェインを含むコーヒー、紅茶、エナジードリンクなどが該当します。
交感神経が過敏になることを抑えるためには、これらの食べ物の摂取を控えましょう。また、肥満の方も多汗症になりやすい傾向にあるため、バランスの取れた食生活を心がけることが大切です。
生活習慣の改善
ニコチンには中枢神経興奮剤が含まれているため、過剰に摂取すると発汗が促進されるため注意が必要です。
また、睡眠不足や睡眠の質が低下した場合も、交感神経優位の状態が長くなるため注意しましょう。喫煙や睡眠不足は、多汗症の要因となる交感神経優位の状態をもたらします。
多汗症予防のためにも、生活習慣の改善を行うことが大切です。
制汗剤の使用
制汗剤を使用すると汗を抑えることができます。とくに、塩化アルミニウムが含まれているものが有効です。
ただし、肌の弱い方は、皮膚のかさつきなどを感じることがあるため注意しましょう。
入浴や有酸素運動
入浴や有酸素運動で適度に汗をかくことは、汗腺機能を鍛えるためにも有効な手法です。
入浴できちんと汗をかくためには、入浴前にコップ1杯の水を飲むことをおすすめします。
有酸素運動の目安は1日30分程度が目安となります。汗ばむ程度の速さのウォーキング、ジョギングや水泳など可能なものを取り入れましょう。
多汗症で持たれがちな疑問
「何科を受診すればよいの?」「発症しやすい年齢ってある?」「わきがと多汗症に関係はある?」こういった疑問を抱いている多汗症の方は多いでしょう。ここでは、3つの疑問にお答えします。
何科を受診すれば良いか?
多汗症の診察は皮膚科や形成外科で行っています。神経疾患などが原因の場合は「神経内科」などで対応することもあります。
何科を受診すれば良いかと迷っている場合、まずは皮膚科や形成外科を受診してみましょう。
発症しやすい年齢は?
多汗症が発症しやすい年齢は10〜30代です。しかし、それ以外の年齢で全く発症しないというわけではありません。
多汗症はわきがと関係があるのか?
多汗症はエクリン汗腺という汗腺から、わきがの場合はアポクリン汗腺から汗が出ます。
そのため、多汗症とわきがは違うものですが、わきがの人が多汗症を併発していることも少なくありません。
多汗症以外で似た症状の出る病気
汗を多くかく病気の原因としては、さまざまなものがあります。ここでは、3つの病気について解説していきましょう。
自律神経失調症
自律神経のバランスが崩れる症状を「自律神経失調症」と言います。
交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで、様々な症状が現れる場合があります。その中の1つが、大量の汗をかくことです。
自律神経失調症は明確な診断基準がありません。そのため、症状を元に診察を行いながら、関連がありそうな疾患を除外しつつ、診断を進めていくこととなります。
更年期
閉経を挟んだ前後10年間のことを更年期と言います。ホルモンバランスが崩れ、様々な不調が現れる場合があります。これが「更年期障害」です。
その症状の1つに、大量に汗をかくことがあげられます。女性で50代前後の場合、更年期障害の可能性も考えられます。
低血糖
血糖値が低下した状態を低血糖と言います。空腹時の運動やダイエットなどによる炭水化物不足で低血糖になる人もいるため注意しましょう。
低血糖状態の1つに大量に汗をかくことがあげられます。一時的な低血糖の症状であれば食生活の見直しで改善が可能です。
しかし、思わぬ病気が隠れていることもあるため、血液検査などを受けて原因をはっきりさせましょう。
症状が把握できれば『オンライン多汗症外来』を活用できる
多汗症は原因や重症度によって治療方法が異なります。そのため、医師の診断で自分の症状を把握することが大切です。病院に行って医師の診断を受け、その後治療方法を確定すると良いでしょう。
また、多汗症の治療には医師の診断が欠かせません。しかし、「待ち時間がもったいない」と感じ、なかなか病院に行けない人もいるでしょう。
また、多汗症の方の中には、「病院には行きづらい」と感じている人も少なくありません。
自分の都合の良い場所・時間に利用できるのがおうち病院の『オンライン多汗症外来』です。自宅にいながら、オンラインで多汗症の診察を受けられます。手軽に診察を受けたい方は利用を検討しましょう。
まとめ
多汗症の診断は医師と話をする「問診」「視診」が一般的です。その後、必要に応じて汗の量や範囲などを確認する「検査」を行います。場合によっては他の病気と区別するための血液検査を行うこともあります。
多汗症の診断のために病院に行きづらい、なかなか時間が取れないとお考えの方はおうち病院の『オンライン多汗症外来』がおすすめです。
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