ピアノを弾く人のための手汗対策ガイド|効果的な方法を紹介

本記事では、プロ~アマチュアのピアノ奏者から、教師や保育士など普段からピアノに触れる方まで、手汗に悩んでいる方向けに効果的な手汗対策と治療法を紹介します。

ピアノを弾く人の悩みの上位に挙がる「手汗」の問題。

鍵盤が濡れて指が滑ったり、楽譜が湿ってしまったりなど、演奏に支障をきたすトラブルは大きな悩みの種になります。

生活面での対処法も必要ですが、それだけでは根本的な解決になりません。

手汗を抑えるための治療は、病院で相談しましょう。

しかし、「忙しくて病院に行く時間がない」「手汗について病院にかかるのは恥ずかしい」という方は、オンライン診療をご利用ください。

おうち病院「オンライン多汗症外来」は、自宅にいながらビデオチャットで受診できます。

薬の処方も、自宅配送か近くの薬局受取が可能です。

手汗がピアノ演奏に与える影響と悩み

ピアノ演奏者にとって手汗は大きな悩みの一つです。手汗に伴う問題とその影響について解説します。

  • ・ピアノの鍵盤が汗で濡れてしまう(汚れてしまう)
  • ・ピアノの鍵盤が滑ってしまう
  • ・ピアノの楽譜が湿ってしまう
  • ・他人の前でピアノを弾くのが恥ずかしい

それぞれ詳しく解説します。

手汗による悩み1.ピアノの鍵盤が汗で濡れてしまう(汚れてしまう)

手汗で鍵盤が濡れてしまうと、演奏に支障をきたすだけでなく、楽器自体の劣化を招く原因になることがあります。

また、鍵盤が湿っていると汚れが付きやすく、放置すると雑菌が繁殖する恐れもあります。

これらを防ぐために、こまめに自分の手や鍵盤を拭く必要があり、タオルが手放せません。

レッスンなどピアノを人と共有する場合、手汗が多いのが人に知られてしまうのでは?といつもヒヤヒヤします。

手汗による悩み2.ピアノの鍵盤が滑ってしまう

手汗により手が濡れていると鍵盤も濡れてしまいます。

それにより、演奏中に滑ってミスタッチが増えることになります。

これは演奏者にとって、大きな悩みやストレスになります。

手が湿ったままでは正確なタッチが難しくなり、それが集中力の低下やさらなるプレッシャーとなれば悪循環に陥ってしまいます。

演奏前に手をしっかりと拭いていても、演奏中にまた手汗が出てしまい、演奏中は中断も出来ないため、対処に困っている方も多いでしょう。

手汗による悩み3.ピアノの楽譜が湿ってしまう

手汗が多いと、楽譜のページがくっついてしまったり、楽譜が濡れてしまったりすることがあります。

このようなトラブルを避けるためには、なるべく楽譜をめくらずに演奏を進められる工夫も効果的です。

たとえば楽譜を見なくても演奏できるように完璧に記憶する、短めの曲であれば開いて繋げた状態で目の前に置くなど、めくらずに見られるように工夫します。

環境的に可能であれば、譜面をデジタル化してタブレットで表示するなどの方法が考えられます。

手汗による悩み4.他人の前でピアノを弾くのが恥ずかしい

人によっては、手汗が気になるあまり人前での演奏が恥ずかしいと感じる方も多いです。しかし、手汗は多かれ少なかれ、多くの演奏者が経験することです。

「自分だけが異常なのではないか」など、過度に気にしすぎないことも大切です。

原因や自分に合った対処方法を見つけ、快適に演奏ができるよう対策をしていきましょう。

あまり気にしすぎてしまうと、さらなる悪循環を生んでしまうので、リラックスして演奏する事を目指します。

なぜ、ピアノを弾く時手汗をかいてしまうのか?

ピアノ演奏中の手汗に悩む演奏者は少なくありません。

手汗の原因は大きく分けて三つありますので、それぞれの原因と対策について解説します。

手汗が出る原因1.汗で体温調節をしている温熱性発汗

温熱性発汗は、暑い時や運動後などに体温調節のために出る汗です。

このタイプは全身に汗をかくことが一般的で、ピアノ演奏中に手だけに汗が出ているケースでは該当しないこともありますが、関連している可能性もあります。

演奏時に手汗以外にも汗をかいている場合、服装や空調が合わずに暑さで発汗していることも考えられます。

服装や空調設定を確認し、演奏環境を整えましょう。

手汗が出る原因2.演奏のストレスや緊張からくる精神性発汗

精神性発汗はストレスや緊張によって引き起こされる汗で、手のひらや足の裏などに汗をかくのが特徴です。

ピアノ演奏者の多くが経験する手汗は、この精神性発汗です。

特にコンクールや発表会など、普段とは異なる環境で演奏する際に手汗が増えやすくなります。

細かな対策方法は後述していますが、最も有効な対策は、場数を踏んで慣れていき、ストレスや緊張を減らしていくことです。

多くの経験を重ねて自信をつけていくことで、徐々に手汗の発生を抑えることができます。

手汗が出る原因3.なぜか手汗が止まらない手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)

大量に手汗をかいて止まらない場合、手掌多汗症の可能性があります。

緊張しているときやピアノを弾くとき以外でも、普段から日常生活に支障をきたすほど手汗が多い場合には可能性があります。

手掌多汗症は保険治療が適用される疾患です。市販の制汗剤などより処方箋による外用薬塗り薬)で劇的に改善する事もあります。

症状が思い当たる場合、一度医師に相談することをおすすめします。

ピアノ弾きにできる効果的な手汗対策

ピアノ演奏中の手汗に悩んでいる方でも、自分に合った対策を実践することで快適な演奏環境を整えることができます。

ここでは、手汗を軽減するための具体的な方法を紹介します。

とにかくピアノの練習をして自信をつける

手汗の主な原因の一つは、緊張からくる精神性発汗です。

このタイプの手汗を抑えるためには、練習を重ねて自信をつけることが重要です。

繰り返し練習することで不安が軽減され、演奏中の緊張もコントロールしやすくなります。

また、緊張を和らげるために、深呼吸や軽いストレッチなど、自分に合ったセルフケアを取り入れることも効果的です。

まずはリラックスできる工夫をしていきましょう。

生活リズムを整える

自律神経の乱れは手汗の原因の一つです。

自律神経が乱れると、交感神経が活性化し、手汗が増えることがあります。

このため、食生活や生活リズムを整えることが重要です。

バランスの取れた食事や適度な運動を心がけ、充分な睡眠を確保します。

これらにより自律神経を整え、手汗の症状の軽減が期待できます。

日常生活で思い当たることがある方は、生活習慣を見直してみましょう。

普段からストレスをためない

ストレスも手汗を引き起こす大きな要因です。

日常生活の中でリラックスできる時間を持つことが大切です。

趣味の時間を楽しんだり、軽い運動をしたりすることで、心身のリフレッシュを図りましょう。

「手汗で演奏が台無しになったらどうしよう」と考えたりすることは、手汗を悪化させる要因となります。リラックスした気持ちで演奏に臨むことが大切です。

「ミスタッチしても大丈夫!」くらいの気持ちを持ちましょう。

症状がひどい時は医療機関への受診を検討しよう

制汗剤等を活用する方もいるかと思います。

ただし、成分によっては逆に油分等で滑りやすくなるので、サラサラタイプがおすすめです。

ドライバーやスポーツアスリート向けの滑り止め仕様のものを試しても良いでしょう。

演奏の直前には塗らずに寝る前や朝のケアで使用するタイプもあります。

しかし制汗剤は、市販のものより医師に相談するほうが、症状によって適切に処方されるためおすすめです。

症状が重いと感じる場合は、医療機関への受診を検討しましょう。

特に、手の汗が6ヶ月以上続き、以下の症状の2つ以上に当てはまる場合は、手掌多汗症の可能性が濃厚です。

  • ・最初に手の多汗症状が表れたのが25歳以下
  • ・左右対称で手のひらに汗をかく
  • ・睡眠時や落ち着いている時は手汗をかかない
  • ・手の多汗症状は1週間に1回以上表れる
  • ・家族や親族に同じ症状の人がいる
  • ・手汗症状のために日常生活に支障をきたしている

適切な治療を受けることで症状軽減につながります。

症状が深刻な場合には医療機関を受診しましょう。

手汗の悩みは医療機関で治療できる

手汗に悩んでいる方、特に手掌多汗症の可能性がある場合は、医療機関での治療を検討しましょう。

ここでは、適切な治療を受けることが可能な医療機関について解説します。

皮膚科へ受診する

手掌多汗症の治療は、主に皮膚科や形成外科で行われます。

これらの科では、手汗に関する相談や治療が可能です。最初の受診先は皮膚科が一般的です。

手汗の原因が神経疾患だった場合には神経内科、内臓疾患の場合は内科などの受診が必要となることもありますが、その場合は適切な科への紹介や説明が受けられます。

診断が確定することで適切な治療を受けることが出来ます。

オンラインクリニック多汗症外来を利用する

通常の皮膚科クリニックのオンライン枠か、オンライン専用クリニックの多汗症外来を利用するのも一つの手段です。

近年はオンライン診療が普及し、受診や相談を自宅からできるようになっています。

「汗の悩みで病院に行くのは恥ずかしい」と受診をためらう方、オンラインであれば受診のハードルが下がるのではないでしょうか。

多忙で通院が難しい方にもおすすめです。注射や外科的処置には抵抗があり、外用薬だけ処方して欲しい方にも向いています。

多汗症にお悩みなら、おうち病院「オンライン多汗症外来」

多汗症は適切な治療で改善できる可能性があります。

しかし、病院に行くのをためらう方や忙しくて時間が取れない方、専門科が近くになく通院が難しい方も少なくありません。

そんな方には、おうち病院「オンライン多汗症外来」をおすすめします。

ネットでスキマ時間に予約を入れて自宅から診察を受けられるため、通院時間や待ち時間が必要ありません。

オンラインで症状を詳しくお伺いし、カウンセリングを行います。

処方薬はお近くの薬局での受け取りか、ご自宅への郵送も可能です。

多汗症でお悩みの方や、これまで受診が難しかった方は、おうち病院「オンライン多汗症外来」をぜひご利用ください。

ピアノを弾く時いつも手汗で悩むなら、一度医療機関へ相談を

ピアノ演奏時の手汗は、一般的には緊張やストレス、自律神経の影響で生じることが多いとされています。

その中で、自分で対策を試しても改善しない場合や症状が重い場合には、手掌多汗症の可能性があります。

保険適用の治療が受けられる可能性があるので、医療機関へ相談し、適切に治療を受けましょう。

おうち病院「オンライン多汗症外来」なら、専門家が24時間対応します。

仕事や育児・家事などで忙しい方でも、スキマ時間にお好きな場所から診察を受けることができます。

手汗の悩みを抱えている方は、一人で悩まずに専門家の意見を聞いてみましょう。