繰り返し再発するヘルペスの悩みを抱えていると、憂鬱になり日常生活にも影響を与えてしまうのではないでしょうか。
本記事では、ヘルペスの治療薬である「バラシクロビル」について詳しく解説します。あわせて再発を抑える治療法についてもお伝えしますので、参考になれば幸いです。
この記事でわかること
- バラシクロビルはバルトレックス(先発品)のジェネリック医薬品で、作用・効果は同等
- 口唇ヘルペス・性器ヘルペス・帯状疱疹・水痘に保険適用がある
- 用法・用量は疾患によって異なり、医師の指示に従って服用する
- 年3回以上の再発がある場合は「再発抑制療法(サプレッシブ療法)」や「PIT療法(患者自己開始療法)」が選択肢になる
- おうち病院のオンラインヘルペス外来で、自宅から処方相談が可能です
目次
こんな疑問や状況はありませんか?
バラシクロビルを処方された、あるいは処方を希望している方から、こうした声をよく聞きます。
- 「病院でバラシクロビルを処方されたが、どんな薬かよくわからない」
- 「バルトレックスとバラシクロビルはどう違うのか」
- 「再発のたびに病院を受診しないともらえないのか」
- 「副作用が心配で、どこまで長期服用してよいかわからない」
- 「再発を根本的に減らす方法はないか」
ヘルペスは一度感染すると神経節に潜伏し続けるため、長期的に付き合っていく必要があります。バラシクロビルの特性と使い方を正しく理解することで、再発への対処がより計画的になります。
バラシクロビルの基本情報
薬剤プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 一般名 | バラシクロビル塩酸塩 |
| 先発品名 | バルトレックス(グラクソ・スミスクライン) |
| 分類 | 抗ヘルペスウイルス薬(プロドラッグ型) |
| 剤形 | 錠剤(500mg)、顆粒 |
| 保険適用 | あり(口唇ヘルペス・性器ヘルペス・帯状疱疹・水痘) |
| 薬価(後発品・目安) | 500mg 1錠あたり 約40〜80円(銘柄・規格により異なる) |
バラシクロビルはバルトレックスのジェネリック(後発医薬品)であり、薬価などの違いはありますが、基本はバルトレックスと変わりません。
関連記事:バルトレックスでヘルペスをコントロールできる?効果や副作用、再発予防の方法
作用機序:なぜヘルペスウイルスに効くのか
バラシクロビルは、服用後に消化管で吸収され、肝臓や腸管でアシクロビルへと変換される「プロドラッグ」です。変換後のアシクロビルが、ヘルペスウイルスに感染した細胞内でウイルスのDNA複製に必要な酵素(チミジンキナーゼ)によって活性化され、DNAポリメラーゼを阻害することでウイルスの増殖を抑えます。
プロドラッグ化により、アシクロビル単体と比べてバイオアベイラビリティ(体内への吸収率)が約3〜5倍高く、1日の服用回数を減らしながら十分な血中濃度を維持できます。
※プロドラッグとは、体内で何らかの変換を受けた後に、活性を発現する薬物のことです。
ヘルペスの症状と種類
ヘルペスにはいくつか種類がありますが、一般的に多いのが、単純ヘルペスウイルスと水痘・帯状疱疹ウイルスの2種類です。それぞれについて、詳細は下記の通りです。
1。単純ヘルペスウイルス
| ヘルペスウイルスの型 | 発症するヘルペス | 主な症状 |
| 単純ヘルペスウイルス1型 | 主に口唇ヘルペス | 口の周りや口の中に小さな水疱が集まってでき、ピリピリとした痛みやかゆみを伴う |
| 単純ヘルペスウイルス2型 | 主に性器ヘルペス | 性器やその周辺に、水疱や潰瘍(炎症を起こしてただれ(傷が深くなった状態)ができ、強い痛みを伴う |
2.水痘・帯状疱疹ウイルス
ウイルスが初めて感染した時に発症するのが、水痘であり、一生に1度経験します。主に幼少時に感染しますが、ワクチンの接種をしていなかった大人が感染し発症する場合もあります。全身に特徴的な発疹(水ぶくれ)が表れ、人により発熱をともなう病気です。
帯状疱疹は、水痘から回復した後体内に潜伏していたウイルスが、何らかの誘因で再活性化して発症します。胴体に神経に沿って帯のように発疹が表れます。痛みやかゆみを伴う場合が多いです。
参照元:抗ウイルス化学療法剤|一般財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)
適応症と用法・用量
適応症(薬を使用できる疾患や症状)は以下の通りです。
| 疾患 | 用法・用量(標準) | 期間 |
|---|---|---|
| 口唇ヘルペス(再発) | 2,000mg × 2回/日 | 1日間(12時間間隔) |
| 性器ヘルペス(初発) | 500mg × 2回/日 | 5〜10日間 |
| 性器ヘルペス(再発) | 500mg × 2回/日 または 1,000mg × 2回/日 | 3〜5日間 |
| 性器ヘルペス(再発抑制療法) | 500mg × 1回/日 | 長期継続(医師と相談)※ |
| 帯状疱疹 | 1,000mg × 3回/日 | 7日間 |
| 水痘(水ぼうそう) | 1,000mg × 3回/日 | 5日間 |
※腎機能が低下している場合は用量調整が必要です。必ず医師に現在の腎機能を伝えてください。
※再発抑制療法は長期・継続処方が必要なため、専門の医療機関への受診が必要です。おうち病院では再発抑制療法の処方には対応していません。
薬価と負担額
バラシクロビルの薬価と自己負担額について表にまとめました。
バラシクロビルはジェネリックのため、多くの製薬会社から発売されており、それぞれ薬価が異なるため、錠剤のみでおおよその目安として示しています。
なぜ薬価が異なるかと言うと、それぞれ先発の薬をもとに飲みやすくするなどの工夫をして、さらなる価値をつけているためです。
下記の参照元より、同価格を設定している製薬会社が多いもののみピックアップしました。
・単純疱疹の場合(一般的な成人の処方を基準にした処方量で計算しています)
| 薬品名 | ヘルペス 症状 | 投与方法 | 薬価 | 合計金額 | 3割負担 |
| バラシクロビル錠500mg | 通常 | 1回500mg(1錠) 1日2回×5日間 | 105.9円/1錠 | 1059円 | 318円 |
| 76.7円/1錠 | 767円 | 230円 | |||
| 67.5円/1錠 | 675円 | 202円 | |||
| 再発抑制 性器ヘルペスのみ | 1回500mg(1錠) 1日1回※ | 105.9円/1錠 | 3177円 | 953円 | |
| 76.7円/1錠 | 2301円 | 690円 | |||
| 67.5円/1錠 | 2025円 | 607円 |
・帯状疱疹、水痘の場合(一般的な成人の処方を基準にした処方量で計算しています)
| 薬品名 | 投与方法 | 薬価 | 合計金額 | 3割負担 |
| バラシクロビル錠500mg | 1回1000mg(2錠) 1日3回×7日間 | 105.9円/1錠 | 4448円 | 1334円 |
| 76.7円/1錠 | 3321円 | 966円 | ||
| 67.5円/1錠 | 2835円 | 830円 |
※上記は病院での受診料・薬局での調剤技術料、薬学管理料等など諸費用を含みません。
※「バラシクロビル」はバルトレックスのジェネリック(後発医薬品)です。
バルトレックス(先発品)との違い
| 比較項目 | バラシクロビル(後発品・ジェネリック) | バルトレックス(先発品) |
|---|---|---|
| 有効成分 | バラシクロビル塩酸塩 | バラシクロビル塩酸塩(同一) |
| 効果・安全性 | 先発品と同等(生物学的同等性試験をクリア) | 基準品 |
| 薬価 | 先発品の約30〜50%(保険診療での自己負担が安い) | やや高い |
| 銘柄 | 複数メーカー(沢井・日医工・東和など) | グラクソ・スミスクライン |
| 外観 | 先発品と異なる場合あり | オリジナル |
ジェネリック医薬品は有効成分・規格・投与経路が先発品と同一で、生物学的同等性が確認されています。薬価が安いため、保険診療での自己負担を抑えられます。
他の抗ヘルペスウイルス薬との比較
| 薬剤名 | 1日服用回数 | 主な適応 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| バラシクロビル | 2〜3回(疾患による) | 口唇・性器ヘルペス、帯状疱疹、水痘 | 吸収率高い。標準的な第一選択薬 |
| アシクロビル | 5回(内服)/ 1日数回(外用) | 同上 | 歴史が長く安全性データ豊富。服用回数が多い |
| ファムシクロビル | 3回 | 口唇・性器ヘルペス、帯状疱疹 | 服用回数がやや少ない |
| アメナリーフ | 1回 | 帯状疱疹のみ | 7日間・1日1回。帯状疱疹専用 |
口唇・性器ヘルペスの再発治療では、バラシクロビルが服用のしやすさと効果の観点から広く選択されています。
副作用
主な副作用
| 副作用 | 頻度 | 対応 |
|---|---|---|
| 頭痛 | 比較的多い | 症状が強い場合は医師に相談 |
| 悪心(吐き気)・腹痛 | 比較的多い | 食後服用で軽減する場合がある |
| 下痢 | ときどき | 継続する場合は受診を |
| 発疹 | まれ | 出現した場合は服用を中止し受診 |
重篤な副作用(まれ)
- 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)/ 溶血性尿毒症症候群(HUS):血液検査の異常・発熱・意識障害を伴う場合は速やかに受診してください
- 急性腎不全:高齢者・腎機能低下の方では特に注意が必要です
注意が必要な方
- 腎機能が低下している方:腎排泄型の薬であるため、腎機能に応じた用量調整が必要です
- 高齢者:腎機能が低下していることが多く、過剰投与に注意
- 妊婦・授乳婦:有益性が危険性を上回る場合のみ、医師の判断のもと使用します
- バラシクロビル・アシクロビルへの過敏症の既往がある方:使用禁忌
服用における注意点
その他、バラシクロビルの服用時に注意すべき点について解説いたします。製薬会社発行の薬の用法用量等が記載してある添付文書を参考にしています。
- 自動車の運転等、危険を伴う機械の操作
意識障害等があらわれることがあるので、そのような仕事の方は注意が必要です。腎機能障害患者では、特に意識障害等があらわれやすいので、場合によってはそのような仕事に従事させない選択をとる必要があります。
- 治療開始は早期であるほど良い
バラシクロビルの投与は、初期段階ほど効果が期待できます。
- 自己判断での減薬や中止はしない
症状が治まっていても薬はしっかり飲み切ります。特に再発抑制療法の患者は、経過観察にて、医師の判断で減薬または中止するまで内服は継続します。自己判断は再発や悪化などの思わぬトラブルを招く可能性があります。
参照元:抗ウイルス化学療法剤|一般財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)
PIT療法(患者自己開始療法=予防内服)について
年3回以上の再発がある方を対象に、医師があらかじめバラシクロビルを処方しておく治療法です。ピリピリ感などの前駆症状が出た時点で、患者さん自身が服用を開始できるため、最も効果的なタイミングで対処できます。再発のたびに受診する必要がなくなります。
PIT療法の適応は医師との相談のもとで判断します。おうち病院のオンラインヘルペス外来でも相談が可能です。
なお、毎日抗ウイルス薬を服用して再発頻度そのものを減らす「再発抑制療法(サプレッシブ療法)」という治療法もありますが、長期・継続処方が必要なため専門の医療機関への受診が必要です。おうち病院では再発抑制療法の処方には対応していません。
病院へ行くのが恥ずかしいなら、おうち病院「オンラインヘルペス外来」
ヘルペスは、飲み薬や塗り薬を中心とした薬物療法で治療します。重症化のリスクが高い場合は、点滴静注で抗ウイルス成分を投与することもあります。口唇ヘルペスはなるべく初期の段階で治療を始めることで早期改善が期待できるため、速やかに医療機関を受診しましょう。
ヘルペス症状は、特に女性は恥ずかしいと感じる方も多いでしょう。特に性器ヘルペスなどは恥ずかしくて通院が憂鬱なのではないでしょうか。
しかし、仕事や家事、育児、介護など、さまざまな事情で医療機関を受診する時間を確保できない方もいらっしゃいます。そのような方には、「おうち病院 オンラインヘルペス外来」がおすすめです。
おうち病院 ヘルペス外来の特徴
おうち病院では、ヘルペス症状の悩みに対応したオンライン診療を提供しています。「忙しくて対面診療のクリニック通うのが難しい」「自分に合うヘルペス治療薬を医師に相談しながら決めたい」といった方には、おうち病院がとても便利です。特に、ヘルペスは再発性の疾患ですので、おうち病院では、通例処方とPIT処方の同時処方にも対応しております。
おうち病院の特徴
✅ 自宅から受診できる
診察室に行かずにスマートフォン・PCから問診・診察が完了します。ヘルペス症状の悩みを対面で話すことへの心理的なハードルも軽減できます。
✅時間通りに診察が始まる
予約した時間に診察が開始するため、仕事の合間にも受診を計画的に組み込むことができます。
・平日・土日祝日も朝8時〜夜22時まで診察可能
✅ 女性医師が丁寧に診察
おうち病院では診察時間を15分確保しています。医師は事前に問診票を読み込んで診察に臨むため、「自分の生活習慣に最適なヘルペス治療薬を探したい」といった具体的な悩みを落ち着いて相談できます。
✅受診場所と薬の受け取り場所を分けられる
受診はスマートフォン・PCから自宅や外出先で行い、処方薬は自分が指定した薬局で受け取れます。
・処方せんは全国8,200店舗の薬局から選択し自動送信され、受け取り可能
・自宅配送「おくすりおうち便」を利用すれば、薬局に行く手間なし
受診費用の目安(保険適用)
| 費用項目 | 金額 |
|---|---|
| 診察料(保険適用・初診) | 1,000〜1,200円 |
| システム利用手数料 | 1,100円 |
| 合計目安 | 約1,900〜2,400円 |
※薬代は別途。薬局での自己負担額は薬剤・保険の種類により異なります。
おうち病院 ヘルペス外来への受診の流れ
- おうち病院のヘルペス外来ページから予約
- 事前問診票に回答(症状・発症日・再発頻度・既往歴・日常への影響・試した市販品など)
- ビデオ通話で医師と診察(約15分・クイックな対応の場合には5分程度で完了)
- 処方薬を薬局に受け取りに行く、または自宅に配送してもらう
※注意点:ヘルペスは前駆症状が出てから、なるべく早く治療薬を服用する方が症状の抑制につながりやすいので、最寄りの薬局を指定して受け取る方が早く、オンライン診療の価値が得られます。
よくある質問(FAQ)
Q. バラシクロビルとバルトレックスの違いは何ですか?
A.バラシクロビルはバルトレックスのジェネリック医薬品(後発医薬品)です。有効成分・規格・効果・安全性は先発品と同等ですが、薬価が安く、保険診療での自己負担を抑えられます。どちらが処方されるかは医療機関によって異なります。
Q. バラシクロビルはどのくらいの期間服用しますか?
A.疾患によって異なります。口唇ヘルペスの再発治療では1日間(2回服用)、帯状疱疹では7日間が標準的です。性器ヘルペスの再発抑制療法では長期継続が必要な場合もあります。服用期間は必ず医師の指示に従ってください。
Q. バラシクロビルは再発のたびに受診しないともらえませんか?
A.再発が年3回以上ある方は、PIT療法(患者自己開始療法)として事前に処方を受けておく方法があります。前駆症状(ピリピリ感)が出た時点で手元の薬を服用できるため、毎回受診する必要がなくなります。おうち病院のオンラインヘルペス外来でもPIT療法の処方について相談できます。
Q. バラシクロビルにはどんな副作用がありますか?
A.頭痛・悪心・腹痛・下痢などが比較的多く報告されています。まれに血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)や急性腎不全などの重篤な副作用が起こる場合があります。腎機能が低下している方は特に注意が必要で、服用前に医師に腎機能を伝えてください。
Q. バラシクロビルはアルコールと一緒に飲んでも大丈夫ですか?
A.バラシクロビルとアルコールとの間に明確な禁忌の相互作用は報告されていませんが、アルコールは免疫機能を低下させ、ヘルペスの再発を促す要因になる可能性があります。治療中は飲酒を控えることを医師に相談することをお勧めします。
Q. バラシクロビルは妊娠中・授乳中でも使えますか?
A.妊婦・授乳婦への使用は、有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ検討されます。自己判断での服用は避け、必ず担当医に相談してください。
Q. オンライン診療でバラシクロビルを処方してもらえますか?
A.再発の口唇ヘルペスであれば、オンライン診療での処方が可能な場合があります。初めて症状が出た場合や症状が重い場合は対面診療が推奨されることもあります。おうち病院のオンラインヘルペス外来では、初診からオンラインで相談できます。
【コラム】なぜヘルペスは再発するの?
ヘルペスウイルスは、初感染後症状が治まっても、完全に体の中から撃退することは出来ません。現代の医学では、一度感染してしまうと完全に死滅させることができないウイルスです。
一度症状が治まっても体内の神経の中に潜伏し、静かに身を潜めていわば休眠しています。そして何らかのきっかけで再び活性化し、再発するのです。
初感染から再発までの流れは以下の通りです。
1.初感染
ヘルペスウイルスが皮膚や粘膜から侵入し、増殖して炎症や水疱などの症状を引き起こします。
2.神経節への潜伏
症状が治まった後、ウイルスは神経線維を通って近くの神経節まで移動し、静かに潜伏します。この状態ではウイルスはほとんど活動しません。
3.再活性化
何らかの誘因で潜伏していたウイルスが再び活性化し、神経線維を通って元の感染部位へと移動し増殖します。
4.再発
再び移動してきたウイルスが、皮膚や粘膜で炎症や水疱などの症状を引き起こします。初感染時よりも症状が軽いことが多いですが、同じ部位に繰り返し症状が出ることが特徴です。
ウイルスを完全に撃退することはできませんが、再発予防は可能です。
【コラム】ヘルペス症状の再発を抑えるバラシクロビル
ウイルスを完全に撃退できなくても、ウイルスの再活性化を抑えることは治療で可能です。それが再発を予防する画期的な治療法、再発抑制療法です。再発抑制療法について詳しく見ていきましょう。
バラシクロビルなら再発抑制療法が可能
再発抑制療法に用いられる薬は、バラシクロビルまたは先発医薬品のバルトレックスです。これらは再発を未然に防ぐことが期待できます。
再発抑制療法とは、ヘルペス症状が頻繁に再発して悩んでいる患者が、抗ヘルペスウイルス薬を長期間毎日服用する事で再発を抑える治療のことです。
半年から1年間継続し、治療していきます。バラシクロビルを服用している期間は、ヘルペスウイルスの再活性化を防ぐ働きが期待できます。
内服を中止したら再び活性化するということではなく、内服中に免疫力を回復させ、簡単に再発しない体へと導くことが期待されます。
再発抑制療法が向いている患者は?
再発抑制療法が向いている患者は、おおむね1年間に6回以上再発する方です。
また、バラシクロビルにおいては、適応症は性器ヘルペスの再発抑制とされています。単純疱疹の患者の中でも口唇ヘルペスの患者は通常の治療のみで、再発抑制療法の対象にはなりません。
1日1錠を毎日、症状に関係なく服用し、それを継続します。継続期間はおおむね半年から1年とされ、通院しながら医師の判断により行っていきます。
再発抑制療法を行うメリット
再発抑制療法は、ヘルペスが繰り返し再発することで、日常生活に支障をきたしていてつらい方や、再発による症状が重い方、パートナーへの感染リスクが気になる方などに特におすすめです。
再発の心配が減ることで、QOL(生活の質)の向上が期待できます。
製薬会社によるバラシクロビルの添付資料にも、パートナーへの感染抑制について明確に記載されています。ただし、内服中の期間でも感染リスクはゼロではないため、コンドーム の使用等が推奨されています。パートナーとはよく話し合いましょう。
【コラム】今日からできるヘルペス再発予防のセルフケア
ヘルペス再発は、ストレスや生活習慣も影響しています。
再発予防のための薬以外のセルフケアの方法をまとめました。
ぜひ参考にして、今日から実践してみてください。
充分な睡眠時間をとる
睡眠不足などで疲労が蓄積して自律神経が乱れると、免疫力が低下してウイルスの再活性化を招きやすくなります。充分な睡眠をとりましょう。
日頃から、充分な睡眠時間の確保が大切です。日々多忙で難しい方が多いかと思いますが、ぐっすり眠れる工夫をしてみてはいかがでしょうか。
例えば、入眠をスムーズにするためのリラックスタイムをとる、スマホのブルーライトは睡眠をさまたげるため寝る前はスマホを見ない、などの工夫をしましょう。
ストレス管理をする
ストレスはヘルペスウイルスの再活性化を誘発しやすいとされています。ストレス管理を充分に行い、ストレスをためないようにします。
リフレッシュできることやリラックスできる自分の好きなことを見つけましょう。
日々仕事や家事・育児に追われて多忙な方が多いかもしれませんが、友人とのおしゃべりや食事などのストレス発散や、趣味に没頭する時間も大切です。軽い運動も良いかもしれません。
生活習慣の改善
不規則な生活や、生活習慣の乱れはヘルペスに影響します。生活習慣の改善をしましょう。
規則正しい生活リズムを心がけ、夜更かしをついついしてしまう人は可能な限り改めます。夜更かしはヘルペスだけでなく美容と健康にも悪影響を与えるので、なるべく早寝早起きが良いでしょう。仕事上の理由でなかなか早寝早起きができない場合でも、出来る限り毎日の定番リズムがあると良いです。
また、飲酒や喫煙等の習慣があれば極力控えます。可能であれば禁酒禁煙します。
栄養バランスのとれた食事を心がける
免疫力の向上をめざすために、栄養バランスの良い食事を摂ることが大切です。栄養不足や、インスタント食品ばかりでは自律神経が乱れて再発する恐れがあります。
ヘルペスを直接退治する食品があるわけではありませんが、免疫力を高めるためと皮膚や粘膜の健康維持に役立つ食品例をあげておきます。
| 栄養素 | 食品例 |
| タンパク質 | 肉、魚、卵、大豆製品 |
| ビタミン類 | 緑黄色野菜、レバー、柑橘類、ナッツ類、 |
| ミネラル類 | 牡蠣、赤身肉、ナッツ類 |
| オメガ3脂肪酸 | 青魚、亜麻仁油、えごま油など |
| 食物繊維 | ヨーグルト、納豆、キムチなど |
| ポリフェノール、カロテノイド | 色の濃い野菜や果物、緑茶、カカオなど |
また、避けた方が良い食品として、アルギニンを多く含む食品(チョコレートなど)や、刺激物(香辛料・アルコール)は避けた方が良いと言われています。
紫外線対策・乾燥対策をする
口唇ヘルペスは、紫外線を浴びることや唇の乾燥が原因で再発することがあります。
紫外線対策と、乾燥対策を行いましょう。
外出時はUVカット効果のあるリップや日焼け止めを使用します。帽子やサングラス、UVカットの衣類、日傘も効果的です。
日差しの強い季節(春~初秋)にかけては特に注意が必要ですが、紫外線は夏場だけではありません。1年を通して注意が必要です。
また、乾燥対策には冬だけでなく年間を通して、保湿用のクリームやリップでケアをしましょう。
再発の兆候に注意する
ヘルペスの治療は、早めの対処が鍵です。初期段階で違和感を見つけましょう。
再発の初期症状に気づいたら、早めに薬を服用することでウイルスの増殖を抑え、症状が緩和し、感染を広げるリスクも減らすことができます。
一般的には多くの患者が、かゆみやピリピリ、チクチク、ムズムズといった違和感を覚え、その後に発疹や水疱ができるといった流れを経験しており、再発時の初期症状を自覚している場合が多いです。
家族やパートナーに伝える
家族やパートナーに、ヘルペスウイルスの感染や再発について、伝えておくことが重要です。感染のリスクや予防について話し合い、理解と協力を得るようにしましょう。
恥ずかしくて言えない気持ちもあるかと思いますが、自分の治療のためにも感染させないためにも、しっかり伝えて協力してもらうことが大切です。
また、パートナーとは、濃厚なコミュニケーションや性交渉について話し合い、理解し合うとことが重要です。症状が出ている時はもちろんそれらはNGですが、症状が治まってる時でも感染リスクは低いですがゼロではありません。
薬の添付文書にも「再発抑制療法の治療中もコンドームの使用が推奨されます」と明示されています。
