ヘルペスの再発に悩むあなたへ。また再発した…そんな悩みに再発を抑える治療薬について解説します。
バルトレックスは、ヘルペスの治療に有効な抗ヘルペスウイルス薬です。また、性器ヘルペスにおいて、再発抑制療法にも活用されます。
本記事では、バルトレックスの効果や副作用など詳細を解説いたします。合わせて再発を抑制する治療についても解説しますので、再発予防の治療を検討しているならぜひ確認してください。
目次
「バルトレックス」とはどんな薬?
バルトレックスは、単純疱疹(口唇ヘルペス・性器ヘルペス)の原因となるウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖を抑える、内服の抗ウイルス薬です。
詳細を見てみましょう。
バルトレックスの特徴
バルトレックスは、以下のような特徴を持っています。
- 高い吸収率
- 顆粒剤もある
- 性器ヘルペスの再発抑制療法に用いられる
- 小児にも投与可能
バルトレックスは、アシクロビル(抗ヘルペスウイルス薬)を元に、腸からの薬の吸収を改善した薬です。つまりアシクロビルに比べて腸管からの吸収率が高いのです。これにより、アシクロビルより少ない服用回数で同等の効果が得られやすいとされています。
通常1日2回の服用で済むため、患者さんの負担が軽減されます。アシクロビルは1日3回服用します。
顆粒剤もある錠剤を飲むのが難しい嚥下能力の低下した患者などへのメリットも考えられます。
また、症状が発生した時だけでなく、再発を抑制するために薬を服用し続ける再発抑制療法が、患者により可能な薬です。
さらに、抗ヘルペスウイルス薬の中には小児に投与できない薬もありますが、体重40㎏以上の小児に投与可能です。
バルトレックスの薬価とジェネリック
バルトレックスの薬価と患者の負担額について表にまとめました。
・単純疱疹の場合(一般的な成人の処方を基準にした処方量で計算しています)
薬品名 | 薬価 | ヘルペス症状 | 投与方法 | 合計金額 | 3割負担 |
バルトレックス錠500(500mg) | 145.4円/1錠 | 通常 | 1回500mg(1錠) 1日2回×5日間 | 1454円 | 436円 |
再発抑制 性器ヘルペスのみ | 1回500mg(1錠)×1日1回※ | 4362円 | 1309円 |
※性器ヘルペスの再発抑制療法は、バルトレックスを半年から1年の間継続して服用します。上記表では1ヶ月分(30錠)で計算しました。
・帯状疱疹の場合(一般的な成人の処方を基準にした処方量で計算しています)
薬品名 | 薬価 | 投与方法 | 合計金額 | 3割負担 |
バルトレックス錠500(500mg) | 145.4円/1錠 | 1回1000mg(2錠) 1日3回×7日間 | 6106.8円 | 1832円 |
※上記は病院での受診料・薬局での調剤技術料、薬学管理料等など諸費用を含みません。
また、バルトレックスのジェネリック(後発薬品)は、「バラシクロビル」です。
ヘルペス症状の再発を未然に防げるバルトレックス
バルトレックスは、大きな特徴としてこれまでの薬と違い、再発を未然に防ぐ再発抑制療法にも用いられる薬です。
ヘルペスの再発を予防する再発抑制療法とは?
再発抑制療法とは、頻繁にヘルペス症状の再発を繰り返す患者に対し、抗ヘルペスウイルス薬を長期間服用し続ける事で再発を抑える治療のことです。
半年から1年間、服用し続けます。バルトレックスを服用中は、ヘルペスウイルスの増殖を防ぐ働きが期待できます。内服中に免疫力を回復させます。
これにより、ヘルペスはからだの免疫に増殖を抑制され、簡単に再発しない体へと導くことが期待されます。
再発抑制療法の対象となる患者の症状は?
バルトレックスにおいては、単純疱疹の患者の中でも性器ヘルペスの患者のみ再発抑制療法に用いられます。口唇ヘルペスにおいては通常の治療のみで、再発抑制療法の対象にはなりません。
おおむね1年間に6回以上再発する患者に保険適用され、治療を行います。
1日1錠を毎日症状に関係なく服用を継続します。継続期間は通院しながら医師の判断により行っていきます。
再発抑制療法は、頻繁に再発を繰り返し著しくQOL(生活の質)が低下している方や、再発による症状が重い方、パートナーへの感染リスクを減らしたい方などに特におすすめです。
バルトレックスの副作用と注意点
バルトレックスの副作用と注意点等についてまとめています。処方を検討する前に、確認しておいてください。
バルトレックスの懸念される副作用
バルトレックスは、ヘルペス治療において非常に有効な薬で、長期間の服用にも影響が低いとされています。しかし、副作用のリスクもゼロではありません。報告される副作用について解説します。
意識障害(昏睡)、せん妄、妄想、幻覚、錯乱、痙攣、てんかん 発作、麻痺、脳症、汎血球減少、血小板減少、腎障害、肝機能障害、頭痛、腹痛、下痢、腹部不快感、嘔気/嘔吐など。
これらはごくまれで、0.5%から1%程度です。
また、頻度は不明ですが、アナフィラキシーショックの恐れもあります。このような薬に対するアレルギー症状が見られた場合はただちに服用を中止し、適切な処置を行います。
バルトレックスを処方できない患者
バルトレックスを服用できない患者の条件をお伝えしておきます。該当する恐れのある方は、処方してもらう前に、医師へ必ず相談しましょう。
バルトレックスの成分であるバラシクロビル塩酸塩および添加剤、あるいはアシクロビルアシクロビル(類似の抗ヘルペスウイルス薬)に対し、過敏症(アレルギー反応)の既往歴のあ る患者は投与できません。
添加剤は以下の通りです。
(結晶セルロース、クロスポビドン、ポビドン、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール400、ポリソルベート80、カルナウバロウ)
引用元:抗ウイルス化学療法剤 日本薬局方 バラシクロビル塩酸塩錠|添付文書|一般財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)
バルトレックスの処方には注意が必要な患者
服用には注意が必要な患者についてもお伝えしておきます。該当する恐れのある方は、処方してもらう前に、医師へ必ずあらかじめ相談しましょう。
注意が必要な方は以下の通りです。
1.免疫機能の低下した患者
2.脱水症状をおこしやすいと考えられる患者(腎障害のある
患者又は腎機能が低下している患者、高齢者、水痘患者等)
3.腎障害のある患者、腎機能が低下している患者
4.肝機能障害患者
5.肝障害のある患者
6.妊婦
7.授乳婦
8.小児
9.高齢者
また、下記の薬を服用中の場合の併用には注意が必要です。受診のさい、医師におくすり手帳を見せるなどして確認してもらいましょう。
- プロベネシド(痛風や高尿酸血症の薬)
- シメチジン(胃酸抑制薬)
- ミコフェノール 酸モフェチル(免疫抑制薬)
- テオフィリン(気管支喘息治療薬)
引用元:抗ウイルス化学療法剤 日本薬局方 バラシクロビル塩酸塩錠|添付文書|一般財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)
バルトレックス処方の相談ができる医療機関
バルトレックス処方や再発抑制療法の相談ができる医療機関の診療科目を見てみましょう。
皮膚科
ヘルペスの診断と治療を専門としており、最も一般的な診療科は皮膚科です。対処療法だけでなく、再発抑制療法についても専門的な知見から、しっかりと相談に対応してくれるでしょう。
通常のヘルペス症状の他、再発性に悩む方も受診を検討できます。
医療機関によって治療方針や導入している薬等に違いがありますので、事前に病院のWebサイトや口コミサイト等でリサーチするか、問い合わせて確認してみましょう。
内科・婦人科・性病科
かかりつけの内科医がいる場合は、内科もおすすめです。
また、性器ヘルペスの場合、性病科または、女性は婦人科、男性は泌尿器科の受診もおすすめです。性器に関するウイルス感染症の専門家として信頼できます。
ただし、妊婦や授乳婦は、産科か産婦人科を受診しましょう。妊娠中または妊娠の可能性のある場合、母乳育児中の場合のバルトレックスの服用には注意が必要です。場合によっては別の治療法の可能性もあります。
オンラインヘルペス外来
リモート診察が進化してきた現代において、オンライン受診という新たな選択肢があります。特に、ヘルペスにおいて再発抑制療法で、決まった処方を受け取り経過観察という方は、こちらがおすすめです。
処方された薬は自宅へ配送を選択できるので便利です。通院のわずらわしさや時間的拘束から解放されます。多忙な方や、病院が遠くて通院が困難な方、恥ずかしくて病院に行きたくないと感じている方にはおすすめです。
時間がなくて通院できない方には、おうち病院「オンラインヘルペス外来」
口唇ヘルペスは、飲み薬や塗り薬を中心とした薬物療法で治療します。重症化のリスクが高い場合は、点滴静注で抗ウイルス成分を投与することもあります。口唇ヘルペスはなるべく初期の段階で治療を始めることで早期改善が期待できるため、速やかに医療機関を受診しましょう。
しかし、仕事や家事、育児、介護など、さまざまな事情で医療機関を受診する時間を確保できない方もいらっしゃいます。そのような方には、「おうち病院 オンラインヘルペス外来」をおすすめします。
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✅ 初診から保険診療OK
✅ 平日・土日祝日も朝8時〜夜22時まで診察可能
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✅ 次回再発時のお守り「PIT処方」も選択可能。症状が出た際の通例処方とPIT処方のセットでの処方が便利
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繰り返すヘルペスに悩むなら、バルトレックスによる再発抑制療法もおすすめ
バルトレックスは、通常のヘルペス治療の他再発抑制療法という、再発を抑える治療法に用いられ、長期に服用しても比較的リスクが低いとされる薬です。
1年のうち6回以上ヘルペスの再発に悩むなら、「バルトレックス」で再発抑制療法という新たな選択肢を検討するのも良いかもしれません。
再発により日常生活に支障をきたしている場合や、パートナーへの感染が気になる方にはおすすめの治療法です。
バルトレックスの処方や再発抑制療法について相談したいが通院が難しい場合や恥ずかしくて病院に行けない場合は、オンラインでサクッと受診しましょう。