ゾフルーザはインフルエンザの保険適用薬です。
インフルエンザ治療薬の中では2024年8月現在で最も新しい薬です。2018年の発売ですが、2020年にコロナでも対応可能との症例報告がされております。
本記事では、ゾフルーザ服用の対象者・効果・副作用・薬価・注意点などを解説します。
目次
ゾフルーザとは?
ゾフルーザは、塩野義製薬が開発した、インフルエンザ治療薬です。
効果や対象者・注意点など、詳しく見ていきましょう。
ゾフルーザの効果
ゾフルーザは、A型またはB型インフルエンザの治療の他、予防としても使用されている薬で、「バロキサビルマルボキシル」を有効成分としています。ウイルスの増殖そのものを抑える効果がある治療薬で、コロナウイルスにも有効との報告があります。
ゾフルーザを服用すると、ウイルスは増殖しないまま死滅していくため、発熱等の症状が消失するまでの時間を、服用しない場合に比べて、1~2日短縮するとされています。
ウイルスの増殖を抑える働きは、感染する前の投与での感染防止も効果が期待できます。同居する家族が感染した時に、自分への感染防止で服用するなどの利用が可能です。
ただし予防のための内服は、保険適用外になります。
ゾフルーザの薬価・費用
ゾフルーザの薬価は2024年8月現在で以下の通りです。
保険適用3割負担の場合も計算しました。
分量 | 薬価 | 3割負担の場合 |
ゾフルーザ錠10mg | 1535.4円/錠 | 約460.6円 |
ゾフルーザ錠20mg | 2438.8円/錠 | 約731.6円 |
(製造会社:塩野義製薬)
※成人の服用量は、成人(12歳以上の小児も含む)の、体重40kg以上80kg未満で、1回20mg錠を2錠(計40mg)処方されるため、約1,463円となります。
※薬価以外の費用を含みません。
※実際には処方薬局や状況によって異なりますので、ご確認ください。
また、2024年9月時点では、ゾフルーザに代わるジェネリック医薬品や市販薬はありません。
ゾフルーザ処方の対象者
インフルエンザ(A型またはB型)か、新型コロナが発症して48時間以内の患者が対象です。
発症直後に内服し、ウイルスの増殖を抑えます。48時間以上経過すると、すでにウイルスがかなり活発に増殖したあとで、効果を認められないとされています。
また、家族が感染したなど感染者との接触により、感染の可能性がある場合に内服することで発症を予防する効果も報告されています。そのため、患者と接触して48時間以内の方も対象になります。
ゾフルーザで気をつけるべき副作用
ゾフルーザには、報告の割合は非常に少ないものの、懸念される副作用があります。押さえておきましょう。
副作用について
<軽度の副作用>
- ・下痢
- ・悪心(吐き気、むかつき)
- ・かゆみ
<重篤な副作用の例>
- ・アナフィラキシーショック(皮膚が赤くなる、湿疹、息苦しさ、嘔吐、意識朦朧など)
- ・虚血性大腸炎(腹痛、下痢、血便など)
- ・血便、鼻出血、血尿などの出欠
<副作用が表れた場合の注意事項>
服用中に以上の症状が表れた場合は、服用を中止し、ただちに医療機関を受診してください。その際、ゾフルーザを服用したことを医師に伝えましょう。
子どもの高熱時の場合
ゾフルーザやタミフルなどの薬との因果関係は不明ですが、薬の服用に関係なく、インフルエンザ発症中の子どもの異常行動が報告されています。特に小学生以上の未成年男子に見られる傾向があります。
このような症状はまれですが、転落事故につながる可能性もあるため、未成年の保護者は注意が必要です。
インフルエンザによる発熱から少なくとも2日間は、子どもが1人にならないようにしましょう。子どもを1人で寝かせて親は仕事に行くなどは危険です。
以下のような対策が推奨されます。
- ・玄関や窓を確実に施錠する
- ・ベランダに繋がっていない部屋で寝かせる
- ・一戸建てであれば、2階以上ではなく1階で寝かせる
- ・窓に転落防止の格子などがある部屋で寝かせる
ゾフルーザの使い方と注意点
ゾフルーザの服用方法と使用する上で注意すべき点を見てみましょう。
服用の仕方
<治療の場合>
1回の服用で治療は完結します。用量は医師に指示に従います。1回分の処方される量は、年齢や体重によって異なります。
初期段階でウイルスの増殖を止めるために、インフルエンザの発症後、できるだけ早く服用することが望ましいです。発症から48時間以上経過した場合は効果が薄れる可能性があります。
<予防の場合>
患者に接触後48時間以内に服用します。
また、1日2回を5日間服用する「タミフル」に比べて、1回服用するだけで治療が終わることから、処方された後すぐに服用する事で飲み忘れを防ぐことができます。
「イナビル」は吸入薬のため、小さい子どもや高齢の方、吸うことが上手くできない方などは服用が難しいのに比べ、服用しやすいというメリットがあります。
服用には注意が必要な方
<慎重にすべき方>
- ・妊婦
- ・重い肝臓病のある方
タミフルやイナビルなどの今までのインフルエンザ治療薬は、胎児や母乳への影響は少ないと考えられています。
しかし、ゾフルーザについては、新しい薬のためデータが不足しています。そのため推奨はされておらず、リスクよりもゾフルーザによる治療のメリットが大きいと考えられた時のみ処方されます。
重い肝臓病のある人の使用症例も少ないため、服用の判断は慎重にする必要があります。
どちらも必ず医師に伝えましょう。
<服用できない方>
- ・ゾフルーザの有効成分(バロキサビルマルボキシル)に対して過敏症の既往歴のある方
注意が必要な飲み合わせ
併用に注意する薬として「ワルファリン」が報告されています。
ワルファリンは、心筋梗塞などの血栓塞栓症の治療や予防に使われている処方薬で、経口抗凝固剤(経口で摂取できる血が固まるのを抑える薬)のひとつです。
因果関係についてはまだ明確にはわかっていませんが、併用する場合には、出血リスクなどの状態を充分に注意する必要があります。
インフルエンザやコロナで受診の際は、必ず医師や薬剤師に伝えましょう。お薬手帳や健康管理アプリ等で、普段飲んでいる薬を管理しておくと安心です。
ゾフルーザを処方してもらえる病院
ゾフルーザを処方してもらえる病院を知っておきましょう。
発熱・コロナ外来
内科・小児科などの発熱・コロナ専用外来で処方してもらえます。
発熱・コロナ外来は、一般患者と診察時間を分けるか、時間をわけるなどして、接触のないように管理されています。
ゾフルーザの処方は、発症から48時間以内とされているので、受診したタイミングによっては、発熱から時間が経過していると処方されないケースもあります。
オンライン発熱・コロナ外来
内科・小児科などの発熱・コロナ対応オンライン外来か、オンラン専用クリニックのオンライン発熱・コロナ外来を行なっているクリニックで処方してもらえます。
問診で詳しく症状をうかがうため、時間の経過と症状をメモなどしておけるとスムーズです。高熱で自分では難しい場合も家族などが一緒にオンラインで症状を伝えられると良いでしょう。
ゾフルーザの処方なら、おうち病院「オンライン発熱・コロナ外来」
コロナかインフルエンザの可能性のある時、熱でつらくて病院に行けない方でも便利に利用可能な、おうち病院「オンライン発熱・コロナ外来」をぜひご利用ください。
また、感染者と接触したかもしれず予防したい時も、自費診療になりますが処方可能です。予防のためゾフルーザが欲しいという方も、ぜひお気軽にご相談ください。
通院の煩わしさはなく、便利です。処方されたゾフルーザはご自宅へ配送か近隣の薬局薬店で受け取れます。
ゾフルーザの処方を受け取りたいけど通院できない時は、オンラインがおすすめ
ゾフルーザは、コロナやインフルエンザに感染して発症した直後に服用すると、ウイルスの増殖を抑えてくれる治療薬です。
発症から48時間以内の服用が効果的ですが、48時間を超えると効果が期待できないとされています。
また、今までの薬のタミフルやイナビルに比べ1回服用で治療が完結する、飲みやすいという特徴があります。
また、今までにない特徴として、感染者に接触してから48時間以内の服用で、感染予防が期待できる薬です。
ゾフルーザの服用を検討しているものの、通院が難しい状況にあるなら、気軽にご自宅で処方を受け取ることが可能なおうち病院「オンライン発熱・コロナ外来」にご相談ください。