帯状疱疹の治療法は薬物療法!具体的な治療法や帯状疱疹後神経痛の治療法も解説

帯状疱疹はウイルスが原因の病気で、治療法は薬物療法となります。症状の緩和や治療期間を短縮するためには、早期に病院を受診してなるべく早く薬を使い、ウイルスの増殖を抑えることが大切です。 今回は帯状疱疹の症状や原因、帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛の治療法について解説します。

目次

帯状疱疹はウイルスが原因の病気で、治療法は薬物療法となります。症状の緩和や治療期間を短縮するためには、早期に病院を受診してなるべく早く薬を使い、ウイルスの増殖を抑えることが大切です。

今回は帯状疱疹の症状や原因、帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛の治療法について解説します。

帯状疱疹の症状

帯状疱疹の症状は大きく分けて、痛みの症状と皮膚症状の2つあります。

痛みの症状は皮膚症状が出る前、帯状疱疹の初期から発生することがほとんどです。身体の左右どちらか、神経にそってピリピリ・ズキズキと、まるで針に刺されたかのような痛みが出ることが多いです。

ただし痛みの感じ方は人それぞれで、皮膚の違和感やかゆみ程度の軽いケース、痛みよりもしびれが強いケース、焼け付くような強い痛みがあるケースなどがあります。

痛みの症状の数日後~1週間後くらいから皮膚症状が出てきます。最初のころは、痛みのあった部分に発疹が現れ、次第に盛り上がってきたり丘疹ができたりします。その後、発疹が水ぶくれに変化していき、その数は次々と増えていきます。水ぶくれは数ミリ程度の小さなもので、それが帯状に広がります。水ぶくれは1週間ほどで破れてかさぶたになり、3~4週間程度で治っていきます。

人によっては皮膚症状が治まった後に、帯状疱疹後神経痛(PHN)と呼ばれる神経性の痛みが残り、3ヶ月以上続いてしまうことがあります。

帯状疱疹の原因

帯状疱疹の原因となるのは、水痘・帯状疱疹ウイルスです。過去に水疱瘡にかかった経験がある場合、健康な人であってもウイルスが脊髄の神経や三叉神経節などに潜んでいます。

日本人はそのほとんどが子供のころに水疱瘡にかかっていることから、成人までにほとんどの人が水痘・帯状疱疹ウイルスを保有していると考えられています。

健康な状態であれば、ウイルスは免疫力によって抑えられるため悪さすることはありません。しかし、加齢・過労・ストレス・薬や病気の影響などにより免疫力が低下すると、ウイルスは活性化します。そして増殖しながら神経に炎症を起こし、皮膚表面に現れることで、痛みや水ぶくれなどの症状を引き起こすのです。

ウイルスによって神経がひどく損傷してしまうと、症状が治まった後も帯状疱疹後神経痛となり、痛みが続いてしまう可能性があります。

帯状疱疹の治療法

帯状疱疹の治療法は薬物療法です。

治療において最も重視されていることは、ウイルスをいかに増殖・活性化させないかです。そのため、皮膚症状が出たらすぐに病院を受診し、なるべく早く薬を使って治療を開始することが大切です。早期に治療を行えれば、治療期間の短縮や痛み、皮膚症状の緩和、帯状疱疹後神経痛リスクの低減などが期待できます。

以下で、帯状疱疹の治療で使われる薬について解説します。

抗ウイルス薬

帯状疱疹の治療では水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖を防ぐため、抗ウイルス薬を使用します。発疹が出てから3日以内に飲み始めることで、効果的にウイルスの増殖が抑えられます。逆に皮膚症状が治まるころから飲み始めても、効果はあまり感じられません。

処方された抗ウイルス薬は最後まで飲み切ることが大切です。効果が出るまでに数日かかることがあり、症状が治まったように見えてもウイルスが活性化していることがあり得るためです。

帯状疱疹の治療で使われる抗ウイルス薬は飲み薬が一般的ですが、症状が軽い場合は塗り薬、症状が重い場合は点滴薬が用いられる場合があります。

痛み止め

帯状疱疹の痛みを抑える治療で用いられるのが痛み止めです。症状の出方は人それぞれで違いがあるため、痛みの程度や種類に合わせてさまざまな薬が処方されます。服用しても痛みが治まらない、痛みが強くて薬が効かないといった場合は、医師に相談して薬を変更することもあります。

飲み薬が一般的ですが、痛みがあまりに強い場合はブロック注射を行う場合もあります。

塗り薬

塗り薬は帯状疱疹の痛みや皮膚症状を治療する目的で使います。帯状疱疹の治療で使う塗り薬は抗炎症作用のあるもので、皮膚の赤みを抑えたり痛みを取ったりなどの薬効があります。人によっては皮膚症状が重く、水ぶくれが破けることで深い傷ができることもあります。そうしたケースでは、皮膚潰瘍治療の塗り薬を使って治していきます。

塗り薬には抗ウイルス薬もありますが、こちらは、軽症のケースで使用します。
また、塗り薬には、患部を覆ってウイルスを外に出さないようにすることで、他人への感染を防ぐという副次的効果もあります。

帯状疱疹後神経痛の治療

帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹の皮膚症状が治まった後も続く痛みのことです。具体的にどのような症状があるのか、そして治療法について解説します。

帯状疱疹後神経痛とは

帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹の合併症の中でも頻度の高い後遺症とされています。

かさぶたが取れて皮膚症状が治まったにもかかわらず、神経に痛みを感じてしまうものです。痛みの感じ方は人それぞれで、ズキズキ・ジンジンするケースや、焼ける・締め付けるような痛み、軽く触れただけで痛むケースなどがあります。痛みのせいで眠れず、免疫力が下がってさらに症状が悪化することもあります。

帯状疱疹後神経痛は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって神経が傷つけられてしまうことが原因だと考えられています。そのため、帯状疱疹発症初期になるべく早くしっかりウイルスを抑えることが、帯状疱疹後神経痛リスクを低減することにつながるとされています。

治療法

帯状疱疹後神経痛の治療は薬物療法がメインです。使われる薬はさまざまで、症状や患者の状態に合わせて神経障害性疼痛治療薬、三環系抗うつ薬、下行性疼痛抑制系賦活型疼痛治療剤、さらに麻薬性のオピオイドも使用されることがあります。

また、痛みの症状が強い場合は、ペインクリニックなどで神経ブロック注射が実施されることもあります。神経の近くに局所麻酔薬やステロイド薬を注入し、神経伝達をブロックすることで痛みを感じなくする治療法です。

漢方薬の併用も効果的

帯状疱疹後神経痛の治療には漢方薬の併用も効果的だと考えられています。西洋薬では、薬効によって痛みを直接取る治療を行います。一方、漢方薬は身体の内側にアプローチして全体を整えて健康にすることで痛みをなくしていきます。

帯状疱疹の痛みは、寒冷刺激(冷たい・ひんやり感のある刺激)で憎悪(症状が悪化する)することが少なくありません。そのため漢方では鎮痛作用があるものに加え、水分調整作用や温熱作用を持つ成分を配合し、身体の内側から痛みの緩和を行います。また、胃腸機能を整えて活性化させる作用のある成分を加えることで、気血の生成を促し、免疫気力を高めることで病後の健康的な身体を作ることも行います。

このように、漢方は痛みそのものではなく、身体の内側にアプローチして痛みを感じにくい状態へ整えていきます。西洋薬とうまく併用すれば、帯状疱疹後神経痛のつらさも緩和できるのではないでしょうか。

帯状疱疹の治療薬を簡単に受け取れる、おうち病院「オンラインヘルペス外来」

帯状疱疹は痛みや皮膚の赤み・水ぶくれなどが引き起こされ、症状が強いと日常生活にも支障をきたします。ウイルスの増殖を防ぐことが症状の緩和や治癒期間の短縮につながりますので、できる限り早く病院を受診して薬をもらい、治療を開始しましょう。

また、帯状疱疹になってしまったら、継続して薬を使い続けることが大切です。特に痛みは残ることも多いので、薬でしっかり抑えていきましょう。

とはいえ、仕事が忙しい、症状がつらいなどの理由で病院になかなか行けない方もいることでしょう。そこでおすすめなのが、おうち病院「オンラインヘルペス外来」です。

帯状疱疹とヘルペスは異なる病気ですが、「オンラインヘルペス外来」なら帯状疱疹も網羅しているので安心です。病院が開いていない早朝・深夜でも、全国どこからでも診療を受けられます。薬はお近くの薬局に届きますので、時間のあるタイミングで取りに行けます。

直接病院に行く暇のない方は、ぜひご活用ください。