男性更年期障害(LOH症候群)とは|AMSスコアでセルフチェック・何科を受診すべきか

「疲れが抜けない」「やる気が出ない」「眠れない」——40代・50代でこうした不調が続くとき、「歳のせい」「働きすぎ」で片づけてしまう方は少なくありません。しかし男性にも、ホルモンの低下による更年期があります。加齢男性性腺機能低下症(LOH症候群)と呼ばれる状態です。本ページでは、症状のセルフチェック方法、うつ病との見分け方、そしてどこを受診すればよいかを整理します。

この記事で分かること

  • 男性の更年期は加齢男性性腺機能低下症(LOH症候群)と呼ばれ、テストステロンの低下で起こります
  • 症状は身体・精神・性機能の3方向に出ます。うつ病と間違われやすいのが特徴です
  • AMSスコア(17項目)で症状の程度を点数化できます。本ページに全17項目を掲載しています
  • 診断には血液検査(テストステロン値)が必要です。採血は午前中に行うのが原則です
  • 受診先は泌尿器科・メンズヘルス外来です。女性の更年期とは受診先が異なります
  • 男性40歳代の86.6%、50歳代の86.5%が、症状を自覚しても受診していません

LOH症候群(男性更年期障害)とは何ですか

LOH症候群とは、加齢に伴って男性ホルモン(テストステロン)が低下し、心身にさまざまな症状が現れる状態です。 正式には「加齢男性性腺機能低下症(Late-Onset Hypogonadism)」といい、頭文字をとってLOH症候群と呼ばれます。

女性の更年期が閉経を挟んだ10年間に集中して起こるのに対し、男性のテストステロンは20代をピークに、年に1〜2%程度ずつゆるやかに低下していきます。 そのため「いつから始まったか」がはっきりせず、本人も周囲も加齢や疲労のせいだと考えがちです。

低下のスピードには個人差が大きく、同じ年齢でもテストステロン値には数倍の差があります。 ストレス・睡眠不足・肥満・過度の飲酒はテストステロンを下げる方向に働くため、生活環境の影響も受けます。40代でも症状が出る方がいる一方、60代でも問題のない方がいるのはこのためです。

女性の更年期との違い

同じ「更年期」でも、男女で起こり方が大きく異なります。受診先が違う理由もここにあります。

比較項目女性の更年期男性の更年期(LOH症候群)
関わるホルモンエストロゲン(女性ホルモン)テストステロン(男性ホルモン)
低下の仕方閉経前後に急激に低下する20代以降、年1〜2%ずつゆるやかに低下する
時期45〜55歳頃に集中(閉経±5年)明確な時期がない。 40代〜70代まで幅がある
終わりの目安閉経後数年で症状は落ち着くことが多い自然に終わるという区切りがない
代表的な症状ほてり・のぼせ・発汗(血管運動神経症状)疲労感・意欲低下・性機能の低下
診断の手がかり月経の変化・年齢・症状血液検査(テストステロン値)が中心
主な受診先婦人科・女性外来泌尿器科・メンズヘルス外来

もっとも重要な違いは「区切りがないこと」です。 女性の更年期は閉経という節目があり「いつか終わる」と見通しが立ちますが、男性の場合は自然な終わりがありません。放置すれば症状が続く可能性があるため、気づいた時点での対応が意味を持ちます。

どんな症状が出ますか

症状は身体・精神・性機能の3方向に現れます。1つだけが出ることは少なく、複数が重なるのが一般的です。

分類主な症状見落とされやすい理由
身体症状疲労感・倦怠感、筋力低下、関節や筋肉の痛み、発汗、ほてり、頻尿「歳のせい」「運動不足」で説明がついてしまう
精神症状意欲・気力の低下、抑うつ気分、イライラ、不安感、集中力・記憶力の低下、不眠うつ病と診断されることがある(後述)
性機能症状性欲の低下、勃起機能の低下、早朝勃起(朝立ち)の減少医師に相談しづらく、問診で申告されにくい

このうち、LOH症候群を疑う手がかりとしてとくに重視されるのが「早朝勃起の減少」です。 意識とは無関係に起こる生理現象であり、心理的要因の影響を受けにくいためです。相談しづらい項目ですが、診断の精度に直結するため、受診時には正直に伝えてください。

うつ病と間違われやすい理由

LOH症候群の精神症状は、うつ病の症状とほぼ重なります。 意欲低下・抑うつ気分・不眠・集中力低下——これらだけを見て区別することはできません。実際に、心療内科で抗うつ薬を処方されたものの改善せず、後にテストステロン低下が判明するケースがあります。

見分けの手がかりLOH症候群を疑ううつ病を疑う
性機能の変化性欲低下・早朝勃起の減少を伴う性欲低下はあるが、早朝勃起は保たれることが多い
身体症状筋力低下・発汗・ほてりを伴う身体症状は食欲・体重変化が中心
気分の日内変動一日を通して同じような倦怠感朝がもっともつらく、夕方にかけて改善する傾向
血液検査テストステロン値が低いテストステロン値は基準内のことが多い
重要: 上の表は「疑いの方向づけ」であって、診断ではありません。両方が併存することもあります。 気分の落ち込みが2週間以上ほぼ毎日続いている場合や、自分を責める気持ちが強い場合は、テストステロンの検査を待たずに心療内科・精神科を受診してください。

AMSスコアでセルフチェック

AMS(Aging Males’ Symptoms)スコアは、男性更年期症状の程度を点数化する国際的な質問票です。 17項目それぞれについて、この1か月の状態を5段階で評価します。

点数の付け方: なし=1点/軽い=2点/中等度=3点/重い=4点/非常に重い=5点

#質問項目分類
1総合的に調子が思わしくない身体
2関節や筋肉の痛みがある身体
3ひどく汗をかく身体
4睡眠の悩みがある(寝つけない・浅い・早く目が覚める)身体
5よく眠くなる、しばしば疲れを感じる身体
6いらいらする精神
7神経質になった精神
8不安感がある精神
9からだの疲労や行動力の減退がある身体
10筋力の低下を感じる身体
11憂うつな気分になる精神
12「絶頂期は過ぎた」と感じる精神
13力尽きた、どん底にいると感じる精神
14ひげの伸びが遅くなった性機能
15性的能力の衰えを感じる性機能
16早朝勃起(朝立ち)の回数が減った性機能
17性欲の低下を感じる性機能

17項目の合計点(最小17点〜最大85点)で、症状の程度を判定します。

合計点判定目安となる対応
17〜26点症状なし現時点で受診の必要性は低い状態です
27〜36点軽度生活習慣の見直しから始めてください
37〜49点中等度泌尿器科・メンズヘルス外来への受診をおすすめします
50点以上重度早めに専門医を受診してください

AMSスコアは診断ではなく、受診を判断するための目安です。 点数が高くても他の病気が原因のことがあり、逆に点数が低くてもテストステロン値が低いことがあります。37点以上(中等度)が受診を検討する一つのラインになります。

参考:「LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き」(2022年12月・日本泌尿器科学会 掲載)

診断はどのように行われますか

LOH症候群の診断は、症状の評価と血液検査を組み合わせて行われます。 AMSスコアなどで症状を確認したうえで、血液中のテストステロン値を測定します。

検査項目内容補足
総テストステロン(TT)血中のテストステロン総量目安となる基準値は 250ng/dL 未満
遊離テストステロン(FT)タンパク質と結合していない、実際に働くテストステロン正常下限は 8.5pg/mL8.5〜11.8pg/mL は境界域とされ、7.5pg/mL 未満が治療を検討する閾値として示されています
一般血液検査貧血・肝機能・腎機能・血糖・脂質など症状の原因となる他の病気を除外するため
PSA(前立腺特異抗原)前立腺がんのスクリーニング治療の可否判断に必須

採血のタイミングに注意が必要です。 テストステロンには日内変動があり、午前中(おおむね7時〜11時)にもっとも高くなります。 午後に採血すると実際より低い値が出て、判断を誤る原因になります。受診の際は午前中の予約を取ってください。

日本では遊離テストステロン(FT)を重視するのが一般的です。総テストステロンは加齢によって増える結合タンパク質の影響を受けやすく、実際に働いているホルモン量を反映しにくいためです。

治療にはどんな選択肢がありますか

治療は、テストステロンを補う方法と、症状に応じて対処する方法に分かれます。

治療法内容保険適用主な実施場所
テストステロン補充療法(ART)男性ホルモン製剤の筋肉注射(2〜4週間ごと)が中心条件を満たせば適用あり泌尿器科・メンズヘルス外来(対面
漢方薬補中益気湯・八味地黄丸・柴胡加竜骨牡蛎湯など。体力低下・意欲低下・不眠などに用いられます適応があれば適用あり内科・泌尿器科
抗うつ薬・睡眠薬抑うつ・不眠が前面に出ている場合適用あり心療内科・精神科
ED治療薬勃起機能の低下が主訴の場合自費泌尿器科・メンズヘルス外来
生活習慣の改善睡眠・運動(とくに筋力トレーニング)・減量・節酒セルフケア

テストステロン補充療法には、実施できない方がいます。

禁忌・慎重に判断すべき状態理由
前立腺がん、またはその疑いテストステロンが前立腺がんを進行させる可能性があります
乳がん(男性乳がん)同上
重度の前立腺肥大による排尿障害症状を悪化させる可能性があります
多血症(赤血球が多い状態)さらに血液が濃くなり、血栓のリスクが上がります
重度の睡眠時無呼吸症候群症状を悪化させる可能性があります
重い心臓・肝臓・腎臓の病気全身への負担を考慮する必要があります

このため、治療開始前にはPSA検査と血液検査が必須です。 また治療中も定期的な検査が必要になります。「注射を打つだけ」で完結する治療ではありません。

生活習慣でできること

テストステロンは生活習慣の影響を強く受けます。軽度(AMSスコア27〜36点)の段階では、まずここから始める価値があります。

取り組み具体的な内容期待できること
筋力トレーニング下半身を中心とした大きな筋肉を週2〜3回運動後にテストステロン分泌が高まることが報告されています
睡眠時間の確保7時間前後。テストステロンは睡眠中に多く分泌されます慢性的な睡眠不足はテストステロンを下げます
減量内臓脂肪はテストステロンを女性ホルモンに変換する酵素を多く持ちます肥満の改善はテストステロン値の改善につながります
節酒過度の飲酒は精巣機能を抑制します
ストレスの軽減ストレスホルモン(コルチゾール)はテストステロンと拮抗します
亜鉛・ビタミンDの充足不足している場合に限り、食事やサプリメントで補う不足はテストステロン産生に影響する可能性があります

注意: 「テストステロンを上げる」とうたうサプリメントの中には、根拠が十分でないものや、医薬品成分が無承認で含まれていた事例のあるものがあります。海外の個人輸入品はとくに注意してください。症状が中等度以上であれば、サプリメントより先に検査を受けることをおすすめします。

「歳のせい」で片づけていませんか【セルフチェック】

厚生労働省が2022年7月26日に公表した調査では、**男性40歳代の1.5%・50歳代の1.7%**が更年期障害と診断されている一方、40歳代の86.6%・50歳代の86.5%が医療機関を受診していません。 女性(40歳代81.7%・50歳代78.9%が未受診)よりも、さらに受診率が低い状態です。

参考:厚生労働省「更年期症状・障害に関する意識調査」結果概要(2022年7月26日)

以下に当てはまるものがないか確認してください。

□ 十分に寝ても疲れが取れない状態が、3か月以上続いている
□ 以前は楽しめていたことに、興味がわかなくなった
□ 仕事の集中力が落ち、ミスが増えたと感じる
□ 筋力が落ち、体つきが変わってきた(腹回りに脂肪がつきやすくなった)
□ 早朝勃起(朝立ち)の回数が明らかに減った
□ 理由もなくイライラする、家族に当たってしまうことが増えた
□ 寝つけない、途中で目が覚めるようになった
□ 心療内科で抗うつ薬を処方されたが、思うように改善していない

3つ以上当てはまり、かつAMSスコアが37点以上の場合は、泌尿器科・メンズヘルス外来での血液検査をおすすめします。

最後の項目に心当たりがある方は、とくに一度検査を受ける意味があります。テストステロン低下が背景にある場合、抗うつ薬だけでは改善しにくいことがあるためです。

受診をためらう理由と、その先に起こること

男性の受診率が低い背景には、いくつかの共通した理由があります。

ためらう理由実際のところ
「この程度で病院に行くのは大げさ」厚生労働省調査でも、受診しない理由の最多はこれでした。しかし血液検査は数分で済みます
「泌尿器科は行きづらい」LOH症候群の相談は泌尿器科の日常的な診療の一つです。専門外来を設けている施設もあります
「性機能のことを話したくない」診断精度に直結する情報です。医師にとっては症状の一つに過ぎません
「歳なんだから仕方ない」テストステロン低下は治療可能な状態です。また低テストステロンは、内臓脂肪の増加・骨密度の低下・心血管疾患のリスクとも関連が指摘されています

放置した場合にもっとも問題になるのは、「終わりがない」ことです。 女性の更年期のように閉経という区切りがないため、対処しなければ症状が続く可能性があります。

まずは泌尿器科・メンズヘルス外来で血液検査を

LOH症候群が疑われる場合、最初の一歩は血液検査です。 診断にはテストステロン値の測定が欠かせず、治療の可否判断にはPSA検査も必要になります。これらは対面での採血が前提となるため、まずは泌尿器科またはメンズヘルス外来を受診してください。

受診時のポイント:

  1. 午前中に予約する — テストステロンは午前中に高くなります。午後の採血では低く出ます
  2. AMSスコアの結果を持参する — 17項目の点数を記録しておくと、問診がスムーズです
  3. 性機能の項目も正直に伝える — とくに早朝勃起の変化は診断の重要な手がかりです
  4. 服用中の薬を伝える — 降圧薬・抗うつ薬などにも性機能へ影響するものがあります
  5. 健康診断の結果を持参する — 貧血・肝機能・血糖などの除外に役立ちます

「男性更年期外来」「メンズヘルス外来」を掲げている施設のほか、一般の泌尿器科でも相談できます。

おうち病院でできること・できないこと

おうち病院では、テストステロン補充療法(ART)は行っていません。 診断に必要な採血・PSA検査、および注射による投与が対面での実施を前提とするためです。この点は正直にお伝えします。

一方で、LOH症候群に伴う症状のうち、オンライン診療で対応できるものもあります。

ご相談内容おうち病院での対応
テストステロン値の検査・補充療法対応していません(泌尿器科・メンズヘルス外来へ)
不眠(寝つけない・途中で目が覚める)不眠症外来で保険診療の対応が可能です
体重増加・内臓脂肪の増加肥満症外来(自費)でご相談いただけます
気分の落ち込みが強い状態⚠️ 対面の心療内科・精神科をご案内します。オンライン診療では抗うつ薬を処方できません
「どこに相談すればよいかわからない」✅ 一般内科としてご相談を受け、適切な受診先をご案内します

オンライン診療で抗うつ薬を処方できない理由: 厚生労働省のオンライン診療指針において、初診での麻薬・向精神薬の処方、および基礎疾患の情報を把握できていない患者への精神神経用剤の処方は認められていません。抑うつ症状の治療そのものは、対面の心療内科・精神科での診療をお願いしています。

「まず何科に行けばいいのかがわからない」という段階でも構いません。 症状の整理と受診先の交通整理のために、オンラインでご相談いただけます。

おうち病院の特徴

✅ 自宅から受診できる

スマートフォン・PCから問診・診察が完結します。泌尿器科の待合室に入ることへの抵抗がある方でも、自室から相談できます。ご家族が予約や準備を手伝いやすいのも、オンラインの利点です。

時間通りに診察が始まる

予約した時間に診察が開始するため、仕事の合間にも受診を計画的に組み込むことができます。
・平日・土日祝日も朝8時〜夜22時まで診察可能

✅ 女性医師が丁寧に診察

診察時間を15分確保しています。医師は事前に問診票を読み込んで診察に臨むため、「何がいちばんつらいか」を落ち着いて話していただけます。

受診場所と薬の受け取り場所を分けられる

受診はスマートフォン・PCから自宅や外出先で行い、処方薬は自分が指定した薬局で受け取れます。
・処方せんは全国8,200店舗の薬局から選択し自動送信され、受け取り可能
・自宅配送「おくすりおうち便」を利用すれば、薬局に行く手間なし

受診費用の目安(保険適用・両外来共通)

費用項目金額
診察料(保険適用・初診)1,000〜1,200円
システム利用手数料1,100円
合計目安約1,900〜2,400円
※自宅への配送をご希望の場合は追加900円にて「おくすりおうち便」をご利用いただけます。
※薬代は別途。薬局での自己負担額は薬剤・保険の種類により異なります。

おうち病院 オンライン診療への受診の流れ

  1. おうち病院のトップページから内科を選択し受診予約
  2. 事前問診票に回答(症状の内容と程度・生活習慣・現在の薬・日常への影響・試した市販品など)
  3. ビデオ通話で医師と診察(約15分・クイックな対応の場合には5分程度で完了)
  4. 処方薬を薬局に受け取りに行く、または自宅に配送してもらう
  5. 経過を見ながら調整 — 漢方薬の場合は1〜3か月の継続で判断するため、定期的に経過を確認します

一人で悩まないで|おうち病院 疾患コミュニティで相談してみましょう

LOH症候群の相談しづらさは、症状そのものと同じくらい負担になります。 職場では言えず、家族にも話しづらく、結果として誰にも相談しないまま数年が過ぎる——これが受診率86%超という数字の背景にあります。

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  • 同じ悩みを持つ方・そのご家族と、経験や情報を交換できます
  • 専門家の意見やアドバイスを受けられます
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  • 「受診するほどではない気がする」という段階から利用できます

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よくある質問(FAQ)

Q. 男性更年期障害は何歳から起こりますか?

A.明確な区切りはありません。テストステロンは20代をピークに年1〜2%ずつゆるやかに低下していくため、女性の閉経のようなはっきりした境目がないのが特徴です。症状が出やすいのは40代以降ですが、ストレス・睡眠不足・肥満・過度の飲酒の影響を強く受けるため、30代で症状が現れる方もいれば、60代でも問題のない方もいます。年齢よりも、症状の有無とテストステロン値で判断します。

Q. 男性更年期障害は何科を受診すればいいですか?

A.泌尿器科、またはメンズヘルス外来(男性更年期外来)です。女性の更年期は婦人科ですが、男性の場合は受診先が異なります。診断には血液中のテストステロン値の測定が必要で、治療の可否判断には前立腺の状態を確認するPSA検査も欠かせないため、これらに対応できる診療科が適しています。「男性更年期外来」を掲げていない一般の泌尿器科でも相談できます。

Q. AMSスコアは何点から受診したほうがいいですか?

A.37点以上(中等度)が、受診を検討する一つの目安になります。17〜26点は症状なし、27〜36点は軽度で生活習慣の見直しから、37〜49点は中等度、50点以上は重度とされます。ただしAMSスコアは診断ではなく症状の目安です。点数が高くても他の病気が原因のことがあり、点数が低くてもテストステロン値が低いことがあります。気になる症状があれば点数にかかわらずご相談ください。

Q. うつ病と男性更年期障害は、どう見分けますか?

A.精神症状だけでは区別できません。手がかりになるのは、性機能の変化(とくに早朝勃起の減少)と身体症状(筋力低下・発汗)を伴うかどうか、そして血液検査でテストステロン値が低いかどうかです。うつ病では朝がもっともつらく夕方に改善する日内変動が見られやすいのに対し、LOH症候群では一日を通して倦怠感が続く傾向があります。ただし両方が併存することもあります。抗うつ薬を服用しても改善しない場合は、一度テストステロン値を測る価値があります。

Q. 検査はいつ受ければいいですか?

A.午前中、おおむね7時〜11時の受診をおすすめします。テストステロンには日内変動があり、午前中にもっとも高くなるためです。午後に採血すると実際より低い値が出て、判断を誤る原因になります。予約の際に「テストステロンの検査を希望する」と伝えると、適切な時間に案内してもらえます。

Q. テストステロン補充療法は誰でも受けられますか?

A.受けられない方がいます。前立腺がん、またはその疑いがある方、男性乳がんの方は禁忌とされています。テストステロンがこれらのがんを進行させる可能性があるためです。また、重度の前立腺肥大による排尿障害、多血症、重度の睡眠時無呼吸症候群、重い心臓・肝臓・腎臓の病気がある場合も慎重な判断が必要です。このため治療開始前にはPSA検査と血液検査が必須で、治療中も定期的な検査が必要になります。

Q. おうち病院でテストステロン補充療法は受けられますか?

A.おうち病院では、テストステロン補充療法(ART)は行っていません。診断に必要な採血とPSA検査、および注射による投与が対面での実施を前提とするためです。泌尿器科・メンズヘルス外来へのご受診をお願いしています。一方で、LOH症候群に伴う不眠については不眠症外来、体重増加については肥満症外来で保険診療のご相談が可能です。「どこに相談すればよいかわからない」という段階でのご相談も受け付けています。

Q. サプリメントでテストステロンは増やせますか?

A.亜鉛やビタミンDが不足している場合、それを補うことには意味があります。ただし「テストステロンを上げる」とうたう製品の中には、根拠が十分でないものや、医薬品成分が無承認で含まれていた事例のあるものがあり、とくに海外の個人輸入品には注意が必要です。症状が中等度以上(AMSスコア37点以上)であれば、サプリメントを試す前に血液検査でテストステロン値を確認することをおすすめします。原因がテストステロン低下でなかった場合、対処の方向自体がずれてしまうためです。

おうち病院の特化型外来

診療科目

その他一般科として、小児科、皮膚科、循環器内科を受診いただくことが可能です。

診療科目(自費)