仕事のストレスで眠れないときの対処と受診の目安|転職・異動・繁忙期の不眠

「明日の会議のことを考えると、目が冴えて眠れない」「転職してから、夜中に何度も目が覚める」——仕事のことが頭から離れず、布団の中でこのページを開いた方も多いのではないでしょうか。結論からお伝えすると、仕事のストレスで眠れなくなるのは珍しいことではなく、多くは寝る前の過ごし方を見直すことで軽くなりますが、日中の仕事に支障が出ている、気分の落ち込みが2週間以上続くといった場合は、医師に相談する目安です。本ページでは、ストレスで眠れなくなる仕組み、今夜からできる対処、受診を考える目安と相談先をご案内します。

受診を考える目安

次のどれかに当てはまるときは、医師への相談をご検討ください。

  • 生活リズムや寝る前の過ごし方を見直しても、眠れない夜が続いている
  • 日中のだるさ・眠気・集中力の低下で、仕事や家事に支障が出ている
  • 気分の落ち込みや、何をしても楽しめない状態が2週間以上続いている
  • お酒や市販薬・睡眠薬を増やさないと眠れなくなっている
  • 大きないびきや、睡眠中に呼吸が止まっていると言われた(この場合は対面の受診が目安です)

この記事の要点

  • 不眠の主な原因にはストレスがあり、一般成人の30〜40%が何らかの不眠の症状を持っているとされています(厚生労働省 e-ヘルスネット)。
  • 成人の睡眠時間は1日6時間以上を確保することが勧められています。眠れない夜は、無理に布団で粘らずいったん寝床を離れる方法があります(健康づくりのための睡眠ガイド2023)。
  • 寝床でのスマートフォン、夕方以降のカフェイン、睡眠薬代わりの寝酒は、寝つきの悪さや夜中に目が覚める原因になります。
  • 気分の落ち込みや、何をしても楽しめない状態が2週間以上続く場合は、うつ病などのサインのことがあるため、心療内科・精神科を含めた相談をご検討ください。
  • オンライン診療でも不眠の相談はできますが、初診では向精神薬に指定された睡眠薬は処方されません(厚生労働省の指針)。

仕事のストレスで眠れなくなるのはなぜか

仕事のストレスで眠れなくなるのは、心配ごとがあると、休むべき時間になっても頭と体が「起きている状態」から切り替わりにくくなるためと考えられています。厚生労働省のe-ヘルスネットでも、不眠の主な原因として「ストレス」「こころやからだの病気」「薬の副作用」などが挙げられています。特に、翌日の仕事の段取りや人間関係を布団の中で考え始めると、寝つけないことへの焦りが加わり、さらに目が冴えるという悪循環に入りがちです。まずは「眠れないのは自分が弱いからではない」と知ることが、対処の第一歩になります。

ストレスによる不眠には、寝つけない(入眠障害)、夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)、朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)など、いくつかの形があります。どの形で出ているかによって、対処や相談のときに伝えることが変わります。夜中に目が覚める方は『夜中に目が覚めて眠れない(中途覚醒)原因と対処|受診の目安と治療』、朝早く目が覚める方は『朝早く目が覚める(早朝覚醒)のはなぜ?うつ病のサインと受診の目安』もあわせてご覧ください。

転職・異動・繁忙期——眠れなくなりやすい場面と、気をつけたいこと

仕事のストレスで眠れなくなるきっかけは、人によって異なります。よくある場面と、そのときに起きやすいことを整理しました。ご自身の状況に近い行をご覧ください。

場面起きやすいこと気をつけたいこと
転職・異動の直後新しい仕事や人間関係への緊張で、寝つきが悪くなる慣れるまでの一時的なものか、数週間たっても続いているかを見る
繁忙期・締め切り前寝る直前まで仕事をして、頭が切り替わらない寝る前は仕事のメールやチャットを閉じる時間を決める
日曜の夜・連休明け翌日の仕事を考えて、布団に入っても眠れない休日も起きる時刻を平日と大きく変えない
昇進・責任の増加夜中や早朝に目が覚め、仕事のことを考え始める気分の落ち込みや意欲の低下が一緒に出ていないかを見る
人間関係の悩み眠れないうえに、出勤前に気分が重くなる一人で抱え込まず、職場の相談窓口や医師に相談する

つまり、きっかけそのものよりも「どのくらい続いているか」と「日中の生活に支障が出ているか」が、相談するかどうかを考える手がかりになります。

今夜からできる対処【やりがちなことと代わりの方法】

ストレスで眠れない夜は、良かれと思ってしていることが、かえって眠りを遠ざけている場合があります。厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」をもとに、やりがちなことと、代わりの方法をまとめました。

やりがちなことなぜ問題か代わりにできること
布団の中で仕事のメールやSNSを見る画面を近くで見ると光を浴びやすく、寝つきや睡眠の質が悪くなるスマートフォンは寝室に持ち込まず、別の部屋に置く
眠れないまま布団の中で粘る「眠らなければ」という焦りで、さらに目が冴えるいったん寝床を離れ、静かで暗めの場所で眠気が来るまで過ごす
お酒の力を借りて眠る睡眠薬代わりの寝酒は、寝つきの悪さや夜中に目が覚める原因になる寝酒はやめ、眠れない状態が続くなら医師に相談する
夕方以降にコーヒーやエナジードリンクを飲むカフェインには目を覚ます作用があり、寝つきが悪くなる夕方以降はカフェインを含まない飲み物にする
休日に昼過ぎまで寝る体内時計がずれて、日曜の夜にさらに眠れなくなる起きる時刻をそろえ、朝に日光を浴びる

これらは、眠りを妨げる要因を減らすための方法です。数週間続けても眠れない日が続く場合は、次の節の目安を参考に、相談をご検討ください。

「病院に行くほどではない」と迷うときの目安

「仕事のストレスくらいで受診してよいのか」と迷う方は少なくありません。睡眠ガイド2023では、生活を見直しても眠りが十分に改善しない場合や、眠っても休まった感じがしない状態が長く続く場合は、医師への相談が勧められています。いまの状態に近い行をご覧ください。

いまの状態考えられること次にすること
眠れない夜がときどきあるが、日中は普段どおり過ごせるきっかけに伴う一時的な不眠のことが多い前の節の対処を試し、続くかどうかを見る
眠れない夜が続き、日中に眠気・だるさ・集中力の低下がある不眠症として治療の対象になることがある内科・心療内科・不眠症外来などで相談する
気分の落ち込みや、楽しめない状態が2週間以上続くうつ病など、こころの不調が関係していることがある心療内科・精神科への相談を考える
眠るためにお酒や市販薬の量が増えている薬やお酒に頼る状態が続くと、かえって眠りが悪くなることがある自己判断で量を増やさず、医師に相談する

どの科に相談するか迷う場合は、『睡眠障害は何科に行けばいい?原因タイプ別・診療科の早見表』で、原因のタイプ別に受診先を整理しています。迷っているあいだに眠れない日が続くより、まず相談しやすいところで話してみることも一つの方法です。

うつ病などのサインを見逃さないために

このセクションが、本ページでもっともお伝えしたい内容です。仕事のストレスが続くと、眠れないことに加えて、気分の落ち込みや意欲の低下が出てくることがあります。厚生労働省の「こころの耳」では、うつ病の症状として、楽しみや喜びを感じなくなる、憂うつな気分が続くといったこころの症状と、寝つきに時間がかかる、途中で何度も目が覚める、朝いつもより早く目が覚めるといった睡眠の変化が挙げられ、こうした症状が2週間以上続き、社会生活が難しくなる状態とされています。眠れないことだけでなく、気分の変化にも目を向けてください。

次のようなサインがある場合は、不眠の治療だけでなく、こころの不調も含めて相談できる心療内科・精神科への受診をご検討ください。

  • 朝、仕事に行こうとすると気分が重く、体が動かない日が続いている
  • 好きだったことや休日の過ごし方が、楽しめなくなっている
  • 仕事のミスが増えた、集中できないと感じる
  • 食欲が落ちた、または食べ過ぎるようになった
  • 自分を責める気持ちが強い、消えてしまいたいと思うことがある

会社に産業医や保健師がいる場合は、そこに相談する方法もあります。働く人のこころの不調については、厚生労働省の「こころの耳」に相談窓口の案内があります。消えてしまいたい、死にたいという気持ちがあるときは、記事冒頭の相談窓口や身近な人に、すぐに伝えてください。

こんな状態が続いていませんか【セルフチェック】

仕事のストレスによる不眠は、本人が「忙しいから仕方ない」と見過ごしやすいものです。当てはまる項目を数えてみてください。

□ 布団に入ってから30分以上眠れない日が、週に何度もある
□ 夜中や早朝に目が覚め、仕事のことを考え始めてしまう
□ 日中に強い眠気やだるさがあり、仕事の効率が落ちている
□ 眠るためにお酒を飲むことが増えた
□ 休日も仕事のことが頭から離れない
□ 気分が落ち込む、何をしても楽しめないと感じる
□ 受診したいが、平日の日中に病院へ行く時間がない

2つ以上当てはまる場合は、一度医師にご相談ください。受診先に迷う場合は『睡眠障害は何科に行けばいい?原因タイプ別・診療科の早見表』をご覧ください。なお、項目の数にかかわらず、気分の落ち込みが強いとき、死にたい気持ちがあるときは、すぐに相談してください。

「これくらいで受診していいのかな?」と迷う方にも、「おうち病院 オンライン不眠症外来」という選択肢

仕事が忙しく、平日の日中に通院する時間が取れないことが、受診を先延ばしにする理由になっている方も少なくありません。オンライン診療では、医師がビデオ通話で眠れないタイプや仕事・生活の状況、いま飲んでいる薬を伺い、生活の工夫も含めて治療を考えます。一方で、オンライン診療では体に触れる診察や検査はできず、気分の落ち込みが強い場合や、睡眠中の検査が必要な場合は対面での受診をご案内します。ここでは、おうち病院のオンライン診療でできることと、対面受診をお願いするケースをご案内します。

おうち病院の特徴

おうち病院の不眠症外来では、スマートフォンのビデオ通話で医師が問診し、必要に応じて保険診療で薬を処方します。特徴は次のとおりです。

✅ 自宅から受診できる

病院に足を運ばず、自宅から、スマートフォンやパソコンで受診でき、待合室で待つ必要はありません。

✅予約制で時間通りに診察が始まる

予約した時間に診察が開始するため、仕事の合間にも受診を計画的に組み込めます。
・平日・土日祝日も朝8時〜夜22時まで診察可能

✅ 女性医師が15分かけて丁寧に診察

おうち病院では診察時間を15分確保しています。医師は事前に問診票を読み込んで診察に臨むため、「処方睡眠薬それぞれの効果の違い」「自分に合う漢方薬の提案」「どの処方薬が合っているか」なども落ち着いて確認できます。

✅受診場所と薬の受け取り場所を分けられる

受診はスマートフォン・PCから自宅や外出先で行い、処方薬は自分が指定した薬局で受け取れます。
・処方せんは自動送信され、全国8,200店舗の薬局で受け取り可能
・自宅配送「おくすりおうち便」を利用すれば、薬局に行く手間なし

〔おうち病院の処方方針 -複数症状を抱える場合は漢方との併用処方も-〕

また、不眠に加えて、イライラ・不安・疲れやすさ・ほてりなど、ほかの症状もいくつか抱えている方には、体質や症状に合わせた漢方薬の処方もご提案しています。漢方薬は、睡眠薬と組み合わせて使うこともできます。主に次の漢方薬の中から、医師が診察のうえで選びます。(抑肝散(よくかんさん)、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、酸棗仁湯(さんそうにんとう)、加味帰脾湯(かみきひとう)など)

〔おうち病院の処方方針 -依存性の低い薬剤を中心とした処方-〕

おうち病院では、患者さんの安全を考慮し、依存性の高いベンゾジアゼピン系睡眠薬(ユーロジン、ドラール、ハルシオンなど)の処方は原則行わない方針をとっています。代わりに、クービビック(ダリドレキサント)、ボルズィ(ボルノレキサント)、ロゼレム(ラメルテオン)やデエビゴ(レンボレキサント)など、依存性の低い薬剤を中心に処方しています。

受診の流れ:

  1. おうち病院の不眠症外来ページから予約
  2. 事前問診票に回答(不眠の状況・睡眠パターン・生活習慣・現在の薬・日常への影響・試した市販品など)
  3. ビデオ通話で医師と診察(約15分・クイックな対応の場合には5分程度で完了)
  4. 処方薬を薬局に受け取りに行く、または自宅に配送してもらう
  5. 定期フォロー — 月1回以上の診察で経過確認・薬の調整

夜に眠れずにこのページを読んでいる方は、今夜のうちに予約だけを済ませ、翌朝に相談する方法もあります。予約は24時間受け付けており、診察は朝8時から始まります。夜のあいだに受診するかどうかを決める必要はなく、まずは今夜を過ごしてから考えて構いません。

いつすること
今夜不眠症外来のページから予約する(24時間受付)。眠れないタイプや飲んでいる薬をメモしておく
翌朝8時以降予約した時間に事前問診へ回答し、ビデオ通話で診察を受ける(5〜15分ほど)
診察のあと連携薬局で薬を受け取る、または自宅への配送を選ぶ
その後眠りの変化を記録し、次の診察で薬の種類や量を医師と調整する

⚠ オンライン診療ではなく、対面での受診をお願いするケース

次のような場合は、検査や専門的な治療が必要になることがあるため、対面での受診をご案内しています。オンライン診療では、睡眠中の呼吸を調べる検査や、体に触れる診察は行えません。

  • 大きないびきや、睡眠中に呼吸が止まっていると言われる(睡眠時無呼吸症候群の可能性)
  • 眠っている間に足がむずむずする、手足が勝手に動く
  • 気分の落ち込みが強い、死にたい気持ちがある
  • お酒や薬を多く使わないと眠れない
  • 息苦しさ、胸の痛み、強い動悸がある

これらに当てはまる場合の受診先は、睡眠外来・精神科・心療内科・内科が目安です。死にたい気持ちが強いときや、自分を傷つけてしまいそうなときは、命の危険が差し迫っていれば119番に連絡し、それ以外のときは身近な人や相談窓口(厚生労働省「まもろうよ こころ」)に連絡してください。オンライン診療の問診でこれらのサインが見つかった場合も、対面の医療機関をご案内します。

[おうち病院 不眠症外来を受診する →]

受診費用の目安(保険適用)

不眠の診察は保険診療の対象です。費用は、保険診療の自己負担と、保険が適用されない診療手数料に分かれます。3割負担の場合の目安は次のとおりで、薬代は別にかかります。

費用項目金額
診察料(保険適用・初診)1,000〜1,200円
システム利用手数料1,100円
合計目安約1,900〜2,400円
※自宅への配送をご希望の場合は追加900円にて「おくすりおうち便」をご利用いただけます。
※薬代は別途。薬局での自己負担額は薬剤・保険の種類により異なります。

あわせてお読みください

不眠の記事は、知りたいことに合わせていくつかに分かれています。ご自身の状況に近いものからお読みください。

よくある質問(FAQ)

Q. 仕事のストレスで眠れないときは、どうすればいいですか?

A. まずは、寝る前に仕事のメールやスマートフォンを見ない、寝酒やカフェインを控える、眠れないときはいったん寝床を離れるといった方法を試してください。それでも眠れない夜が続く場合や、日中の仕事に支障が出ている場合は、医師に相談する目安です。

Q. 仕事のストレスによる不眠は、何科に相談すればいいですか?

A. 不眠が主な悩みであれば、内科・心療内科・不眠症外来などで相談できます。気分の落ち込みや意欲の低下が2週間以上続いている場合は、心療内科・精神科が目安です。大きないびきや呼吸が止まるといった症状がある場合は、睡眠外来など対面での受診をご検討ください。

Q. 転職したばかりで眠れません。そのうち治りますか?

A. 新しい環境に慣れるにつれて軽くなることもありますが、数週間たっても眠れない夜が続く場合や、日中に支障が出ている場合は、相談をご検討ください。早めに相談することで、生活の工夫や治療の選択肢を医師と一緒に考えられます。

Q. 眠るためにお酒を飲んでもいいですか?

A. お勧めできません。厚生労働省の睡眠ガイドでは、睡眠薬代わりの寝酒は、寝つきの悪さや夜中に目が覚める原因になるとされています。また、睡眠薬とお酒を一緒に飲むと、副作用が強く出るおそれがあります。

Q. 不眠とうつ病は関係がありますか?

A. 関係することがあります。うつ病では、寝つきが悪い、途中で何度も目が覚める、朝早く目が覚めるといった睡眠の変化がよくみられます。気分の落ち込みや、何をしても楽しめない状態が2週間以上続く場合は、心療内科・精神科への相談をご検討ください。

Q. 平日に病院へ行く時間がありません。どうすればいいですか?

A. 朝8時から夜22時まで受診できるオンライン診療で相談する方法があります。予約は24時間受け付けているため、夜に予約して翌朝に受診することもできます。ただし、検査が必要な場合や、気分の落ち込みが強い場合は、対面での受診をご案内します。

Q. オンライン診療で睡眠薬を処方してもらえますか?

A. 医師が必要と判断すれば、保険診療で処方を受けられる場合があります。ただし、初診のオンライン診療では、向精神薬に指定された睡眠薬は処方されず、処方日数にも制限があります。

参考文献・出典

この記事は、次の資料をもとに作成しています。医療情報は改訂されることがあるため、最新の内容は各資料でご確認ください。

この記事は、次の資料をもとに作成しています。医療情報は改訂されることがあるため、最新の内容は各資料でご確認ください。

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