更年期の市販薬|命の母などの選び方と、保険適用の漢方に切り替える目安

「病院に行くほどではないと思うけれど、この不調はなんとかしたい」——更年期の症状に対して、まずドラッグストアの市販薬から試す方は多くいらっしゃいます。実際、国の調査でも受診しない理由の上位に「市販薬などを飲んで症状を抑えている」が挙がっています。市販薬から始めること自体は合理的な選択ですが、続けてよい場合と、切り替えを検討したほうがよい場合があります。本ページでは市販薬のタイプ別の選び方と、その見きわめ方を整理します。

この記事で分かること

  • 更年期に使われる市販薬は「女性保健薬」「一般用漢方製剤」「対症薬」「サプリメント」の4タイプに整理できる
  • 命の母Aは第2類医薬品で、効能・効果は「更年期障害、血の道症」。13種の生薬とビタミン類を配合している
  • 市販薬には効能の範囲・他の病気を見落とすリスク・保険が効かないという3つの限界がある
  • 市販薬を1〜2か月試して変化がない場合が、医療機関を検討する目安のひとつ
  • 不正出血がある、2週間以上ほぼ毎日気分が落ち込むといった場合は、市販薬より先に受診が必要
  • 医療機関では同じ漢方薬でも保険適用で処方でき、診察料込みで約1,900〜2,400円が目安

【一覧表】更年期に使われる市販薬の4タイプ

ドラッグストアで手に入る更年期向けの商品は、性質の異なるものが同じ棚に並んでいます。まず種類の違いを押さえてください。

タイプ位置づけ代表例向いている状態注意点
女性保健薬一般用医薬品(第2類など)命の母Aほてり・のぼせ・イライラなど更年期症状全般効能・効果の範囲内での使用に限られる
一般用漢方製剤一般用医薬品加味逍遙散・当帰芍薬散・桂枝茯苓丸などの市販版体質に合う処方が分かっている場合医療用より生薬の配合量が少ない製品がある
対症薬一般用医薬品鎮痛薬、睡眠改善薬頭痛・一時的な寝つきの悪さ原因への対処ではない。連用は避ける
サプリメント食品(医薬品ではない)エクオール、大豆イソフラボン含有食品症状が軽く、栄養面から整えたい場合効能・効果を標榜できない。医薬品との併用は要相談

医薬品と食品の違いに注意してください。 サプリメントは食品であり、医薬品のような効能・効果は認められていません。「更年期に効く」という表現で販売されている商品があっても、医薬品と同じ扱いにはならない点をご理解ください。

命の母Aとはどんな薬ですか

更年期の市販薬として最もよく知られている製品のひとつです。基本情報を整理しました。

項目内容
医薬品の区分第2類医薬品
効能・効果更年期障害、血の道症
配合成分13種の生薬(トウキ末、シャクヤク末、センキュウ末、カノコソウ末、ブクリョウ末、コウブシ末、ハンゲ、コウカ、ニンジン末、ケイヒ末、ダイオウ末、ソウジュツ末、ゴシュユ)と、ビタミンB群(B1・B2・B6・B12・葉酸)、ビタミンE、ビオチン、カルシウム、タウリン、精製大豆レシチンなど
用法・用量1回4錠、1日3回、毎食後に水またはお湯で服用
服用できない年齢15歳未満

生薬とビタミン類を組み合わせた製品で、ほてり・のぼせ・イライラといった更年期の複数の症状に幅広く対応する設計です。血の道症とは、月経・妊娠・出産・更年期などに伴うホルモン変動によって現れる不定愁訴を指す言葉です。

ダイオウ(大黄)が配合されています。 瀉下作用があるため、下痢や軟便が起こることがあります。もともと便がゆるい方、授乳中の方は事前に薬剤師へご相談ください。

参考:命の母A 製品情報(小林製薬)

市販薬の3つの限界

市販薬から始めること自体は合理的です。ただし、市販薬では対応しきれない部分があることも知っておいてください。

限界1:効能・効果の範囲でしか使えない

一般用医薬品は、承認された効能・効果の範囲で使う前提の薬です。症状の組み合わせや体質に合わせて処方を細かく選ぶ、経過を見て切り替えるといった調整はできません。漢方薬は体質(証)に合っているかどうかで効果が大きく変わるため、この点は結果に直結します。

限界2:他の病気を見落とす可能性がある

更年期障害と症状が似ている病気があります。甲状腺機能亢進症(動悸・発汗・イライラ・体重減少)、甲状腺機能低下症(だるさ・むくみ・気分の落ち込み)、鉄欠乏性貧血(動悸・息切れ・疲労感)、うつ病、関節リウマチなどです。いずれも血液検査や診察で確認できますが、市販薬を使っている限りその機会がありません。

限界3:保険が効かない

市販薬は全額自己負担です。一方、医療機関で処方される漢方薬は更年期障害の診断があれば保険適用となり、自己負担3割で処方されます。市販薬を毎月買い続けるより、費用が抑えられるケースがあります。

市販薬と処方薬の比較

同じ「漢方薬」でも、市販と医療機関では前提が異なります。

比較軸市販薬医療機関で処方される薬
費用全額自己負担保険適用(自己負担3割)
薬の選び方自分で選ぶ医師が体質・症状・併用薬から選ぶ
生薬の配合量製品により医療用より少ない場合がある添付文書に基づく規定量
経過に応じた変更自分で判断診察のうえで医師が変更・調整
他の病気の確認行われない甲状腺疾患・貧血などの鑑別を並行できる
ホルモン補充療法選択できない選択肢に入る(婦人科での管理が前提)
手軽さ◎ すぐ買える受診の手間がかかる

医療機関で処方される漢方薬の使い分けについては 更年期障害の漢方 で詳しく解説しています。

市販薬を続けるときの3つの注意点

注意点1:甘草(かんぞう)の重複に気をつけてください

多くの漢方薬に甘草が含まれています。市販の漢方薬と処方された漢方薬を併用したり、複数の市販漢方を同時に飲んだりすると、甘草の総量が増えて偽アルドステロン症(低カリウム血症・血圧上昇・むくみ・体重増加)のリスクが高まります。むくみと体重増加が続く場合は服用を中止し、医師または薬剤師にご相談ください。

注意点2:服用中の薬はすべて伝えてください

受診する際は、市販薬・サプリメントも含めて服用中のものをすべて医師に伝えてください。「市販薬だから伝えなくてよい」ということはありません。

注意点3:漫然と続けないでください

体質に合っている漢方薬でも、効果の判断には1〜3か月が目安です。逆に言えば、1〜2か月試して変化がない場合は、その薬が体質に合っていない可能性があります。 同じものを買い続けるより、別の選択肢を検討する時期です。

こんな状態が続いていませんか【セルフチェック】

以下に当てはまる場合は、市販薬を続けるより医師に相談することをおすすめします。

□ 市販薬を1〜2か月試したが、症状の変化を感じられない
□ ほてりや発汗で、仕事や外出に支障が出ている
□ 夜中に何度も目が覚め、日中の生活に影響している
□ 市販薬を飲みながら「これでいいのか」と不安を抱えたまま続けている
□ 複数の市販薬・サプリメントを併用しており、飲み合わせが心配
□ ★不正出血がある、または月経量が急に増えた
□ ★動悸・発汗とともに体重が減ってきた、手指がふるえる
□ ★気分の落ち込みが2週間以上ほぼ毎日続いている

2つ以上当てはまる方は、症状の程度にかかわらず相談する価値があります。
特に★の項目に当てはまる場合は、市販薬を続けるより先に受診してください。 それぞれ婦人科的な疾患、甲状腺の異常、うつ病の可能性があり、いずれも市販薬では対応できません。

8割の人が受診していないという背景

「病院に行くほどではない」と感じて我慢していませんか。厚生労働省が2022年7月26日に公表した「更年期症状・障害に関する意識調査」では、次の結果が示されています。

項目女性40歳代女性50歳代
医療機関で更年期障害と診断された3.6%9.1%
更年期障害の可能性があると感じている28.3%38.3%
症状を自覚しながら受診していない81.7%78.9%

受診しなかった理由として最も多かったのは「医療機関に行くほどのことではない」、次いで「市販薬などを飲んで症状を抑えている」「我慢できる」でした。

つまり、更年期の不調は「治療法がない」から放置されているのではなく、受診という行為そのもののハードルが高いために放置されています。仕事や家庭の都合で平日昼間に時間が取れない、婦人科の待合室に入りづらい、症状を言葉にしづらい——こうした事情は、多くの方に共通するものです。

市販薬でしのげているうちは、それでよい場合もあります。ただし、その状態が「他の病気ではないことを確認したうえでの選択」になっているかどうかが分かれ目です。

参考:厚生労働省「更年期症状・障害に関する意識調査」結果概要(2022年7月26日)
参考:女性の健康推進室 ヘルスケアラボ「更年期障害とは?」(厚生労働省研究班監修)

更年期障害かも?市販薬では物足りないという方は、「おうち病院 オンライン診療」という選択肢

「病院に行ったほうがいいのはわかっているが、平日に時間が取れない」「婦人科の待合室に入りづらい」——そうした理由で市販薬を続けている方は、オンライン診療から始める方法があります。

おうち病院では、スマートフォン・PCから保険適用で内科の診察を受けられます。更年期症状に対しては、加味逍遙散・当帰芍薬散・桂枝茯苓丸などの漢方薬を保険診療で処方しています。漢方薬の処方にあたって、事前の検査資料は必要ありません。

おうち病院の特徴

✅ 自宅から受診できる

診察室に行かずにスマートフォン・PCから問診・診察が完了します。月経前後・月経中症状の悩みを対面で話すことへの心理的なハードルも軽減できます。

時間通りに診察が始まる

予約した時間に診察が開始するため、仕事の合間にも受診を計画的に組み込むことができます。
・平日・土日祝日も朝8時〜夜22時まで診察可能

✅ 女性医師が丁寧に診察

おうち病院では診察時間を15分確保しています。医師は事前に問診票を読み込んで診察に臨むため、「これまで試した市販薬が合わなかった理由を知りたい」「体質に合った漢方薬を探したい」といった具体的な相談を落ち着いてしていただけます。

受診場所と薬の受け取り場所を分けられる

受診はスマートフォン・PCから自宅や外出先で行い、処方薬は自分が指定した薬局で受け取れます。
・処方せんは全国8,200店舗の薬局から選択し自動送信され、受け取り可能
・自宅配送「おくすりおうち便」を利用すれば、薬局に行く手間なし

受診費用の目安(保険適用)

費用項目金額
診察料(保険適用・初診)1,000〜1,200円
システム利用手数料1,100円
合計目安約1,900〜2,400円
※自宅への配送をご希望の場合は追加900円にて「おくすりおうち便」をご利用いただけます。
※薬代は別途。薬局での自己負担額は薬剤・保険の種類により異なります。

おうち病院 オンライン診療への受診の流れ

  1. おうち病院のトップページから内科を選択し受診予約
  2. 事前問診票に回答(症状の内容と程度・これまでに試した市販薬とその結果・月経の状況・現在服用中の薬など)
  3. ビデオ通話で医師と診察(約15分・クイックな対応の場合には5分程度で完了)
  4. 処方薬を薬局に受け取りに行く、または自宅に配送してもらう
  5. 経過を見ながら調整 — 漢方薬は1〜3か月の継続で判断するため、定期的に経過を確認します

受診の際は、これまで飲んだ市販薬の名前と、飲んでいた期間をお伝えください。合わなかった薬の情報は、次の処方を選ぶうえで有力な手がかりになります。

対面受診をおすすめする場合

以下に当てはまる場合は、対面での受診をご検討ください。オンライン診察の中で医師が対面受診の必要性を判断した場合も、あらためてご案内します。

  • 不正出血がある、月経量が急に増えたなど、婦人科での検査が必要な場合
  • ホルモン補充療法(HRT)を希望する場合
  • 甲状腺疾患や貧血が疑われ、血液検査が必要な場合
  • 気分の落ち込みが2週間以上ほぼ毎日続いている場合(心療内科・精神科への受診を優先してください)

受診先の全体像は 更年期は何科に行けばいい?症状タイプ別・診療科の早見表 で整理しています。

よくある質問(FAQ)

Q. 更年期に効く市販薬はどれですか?

A.更年期に使われる市販薬は、女性保健薬(命の母Aなど)、一般用漢方製剤(加味逍遙散・当帰芍薬散・桂枝茯苓丸などの市販版)、鎮痛薬や睡眠改善薬といった対症薬、サプリメントの4タイプに分かれます。どれが適しているかは症状と体質によって変わるため、購入前に薬剤師へ症状を伝えて相談することをおすすめします。1〜2か月試して変化がない場合は、医療機関での相談をご検討ください。

Q. 命の母Aはどんな薬ですか?

A.第2類医薬品の女性保健薬で、効能・効果は「更年期障害、血の道症」です。トウキ末・シャクヤク末・センキュウ末など13種の生薬に、ビタミンB群・ビタミンE・カルシウムなどを配合しています。用法は1回4錠を1日3回、毎食後の服用で、15歳未満は服用できません。ダイオウ(大黄)が配合されているため下痢や軟便が起こることがあり、もともと便がゆるい方や授乳中の方は事前に薬剤師へご相談ください。

Q. 市販の漢方と処方される漢方は何が違いますか?

A.主な違いは3点です。第一に保険適用の有無で、医療用は自己負担3割、市販薬は全額自己負担です。第二に生薬の配合量で、市販薬は医療用より少ない製品があります。第三に薬の選び方で、医療用は医師が体質・症状・併用薬を踏まえて選び、効果を見ながら変更もできます。加えて、医療機関では甲状腺疾患や貧血といった紛らわしい病気の鑑別を並行できる点も違いです。

Q. 市販薬はどのくらい試してから受診すべきですか?

A.1〜2か月が目安です。漢方薬は体質に合っていれば1〜3か月かけて変化が現れますが、合っていない場合は続けても変わりません。1〜2か月試して症状に変化がなければ、その薬が体質に合っていない可能性があるため、同じものを買い続けるより医師に相談したほうが近道です。ただし、不正出血がある場合や気分の落ち込みが2週間以上ほぼ毎日続く場合は、期間を待たずに受診してください。

Q. 市販薬とサプリメントは併用できますか?

A.併用している方は多いのですが、事前に薬剤師または医師への確認をおすすめします。とくに注意が必要なのは甘草(かんぞう)の重複です。複数の漢方薬に甘草が含まれていると総量が増え、偽アルドステロン症(低カリウム血症・血圧上昇・むくみ・体重増加)のリスクが高まります。むくみや体重増加が続く場合は服用を中止して医師にご相談ください。

Q. エクオールのサプリメントは市販薬とどう違いますか?

A.エクオールを含む商品の多くは食品(サプリメント)であり、医薬品ではありません。医薬品のような効能・効果は認められておらず、更年期障害の治療薬として承認されているものではない点が違いです。栄養面から整えたいという目的であれば選択肢になりますが、症状が生活に支障をきたしている場合は、医薬品による治療を検討したほうがよい段階といえます。

Q. 市販薬で症状が抑えられていれば受診しなくていいですか?

A.市販薬でしのげているのであれば、それ自体は問題ありません。ただし一度は「他の病気ではないこと」を確認しておくことをおすすめします。甲状腺機能亢進症・甲状腺機能低下症・鉄欠乏性貧血・うつ病は更年期障害と症状が似ており、いずれも血液検査や診察で確認できますが、市販薬を使っている限りその機会がありません。確認したうえで市販薬を選ぶのと、確認せずに続けるのとでは意味が異なります。

Q. オンライン診療でも保険は使えますか?

A.使えます。おうち病院のオンライン診療は初診から保険診療に対応しており、診察料1,000〜1,200円とシステム利用手数料1,100円で、合計約1,900〜2,400円が目安です。処方箋は全国8,200店舗以上の連携薬局で受け取れるほか、自宅配送(おくすりおうち便・追加900円)にも対応しています。

おうち病院の特化型外来

診療科目

その他一般科として、内科、小児科、皮膚科、循環器内科を受診いただくことが可能です。

診療科目(自費)