家庭血圧の正しい測り方と記録のコツ|血圧手帳・アプリどちらでもOK

「家で測るたびに数字がばらつく。いつ、どう測ればいいのだろう」——血圧計を買ったものの、測り方に自信が持てない方は少なくありません。結論からお伝えすると、家庭血圧は、朝(起きてから1時間以内)と夜(寝る前)に、座って1〜2分休んでから上腕で2回測り、その平均を記録するのが基本です。 家庭血圧は診察室の血圧より治療の判断に役立つとされ、記録は紙の血圧手帳でも、スマートフォンの血圧アプリでもかまいません。本ページでは、正しい測り方と基準値、記録を続けるコツ、医師に見せるときのポイントをご案内します。

この記事の要点

先に結論だけを知りたい方のために、本ページの内容を5つにまとめました。

  • 家庭血圧は、朝(起床後1時間以内・トイレのあと・朝食と薬の前)と夜(寝る前)に、座って1〜2分休んでから測ります
  • 1回に2回測り、その平均を記録します。血圧計は手首式より上腕式が勧められています
  • 家庭血圧では、135/85mmHg以上が高血圧の目安で、治療の目標は原則として125/75mmHg未満です(2025年のガイドライン)
  • 記録は、紙の血圧手帳でも血圧アプリでもかまいません。受診のときは、週5日以上の記録があると医師が判断しやすくなります
  • 記録があると、薬の量の調整や、薬を減らす相談がしやすくなります。オンライン診療でも、記録が大切な判断材料になります

家庭血圧を測る意味|診察室の血圧だけでは分からないこと

家庭血圧を測る大きな意味は、ふだんの生活の中での本当の血圧が分かることです。診察室では緊張で高く出る人(白衣高血圧)もいれば、診察室では正常なのに家では高い人(仮面高血圧)もいるため、診察室の1回の測定だけでは判断を誤ることがあります。こうした理由から、日本高血圧学会のガイドラインでは、家庭血圧を診断や治療の判断に重視しています。

家庭血圧の記録は、次のような場面で役立ちます。

場面記録が役立つ理由
高血圧かどうかの判断白衣高血圧・仮面高血圧を見分けられる
薬を始めるかどうか生活習慣の改善で下がっているかを確かめられる
薬の量の調整効きすぎ・効き足りないを、朝と夜の値で判断できる
薬を減らす相談目標を下回る状態が続いていることを示せる
オンライン診療診察室で測れない分、医師が状態を把握する材料になる

つまり、家庭血圧の記録は、医師と一緒に治療を決めるための「共通の資料」になります。とくに、薬をできるだけ少なくしたい方ほど、記録の価値は大きくなります。

家庭血圧の正しい測り方

このセクションが、本ページでもっともお伝えしたい内容です。家庭血圧は、測る時間と条件をそろえることで、日ごとの変化を正しく比べられるようになります。日本高血圧学会のガイドラインで示されている条件を、表にまとめました。

項目測り方
朝起きてから1時間以内。トイレのあと、朝食と薬の前に測る
夜寝る前に測る。入浴・飲酒の直後は避ける
姿勢いすに座り、背もたれに寄りかかり、足を組まない。腕は机に置き、カフを心臓の高さにそろえる
安静測る前に1〜2分、座って静かに休む。会話はしない
回数1回に2回測り、その平均を記録する
機器上腕(二の腕)に巻くタイプ。手首式は位置がずれやすい
記録の期間受診のときは、週5日以上の記録を持っていく

測るときに見落としやすいのは、カフ(腕に巻く帯)の巻き方です。服の上から巻いたり、袖をまくり上げて腕を締めつけたりすると、正しく測れないことがあります。薄手のシャツ1枚の上から巻くか、素肌に巻き、指が1〜2本入るくらいの余裕を持たせると安定しやすくなります。

やりがちな測り方と、代わりにすること

家庭血圧の数字が安定しない場合は、測り方の小さな違いが原因になっていることがあります。よくある例を表にまとめました。

やりがちなことなぜ問題か代わりにすること
起きてすぐ、トイレの前に測る尿をがまんしていると血圧が上がるトイレのあとに測る
朝食や薬のあとに測る食事や薬の影響を受ける朝食と薬の前に測る
高かったので何度も測り直す低い値だけを選ぶと、実態とずれる2回測って平均を記録する
立ったまま、話しながら測る筋肉の緊張や会話で上がる座って1〜2分静かに休んでから
日によって時間がばらばら比べられない毎日ほぼ同じ時刻に測る

家庭血圧の基準値|いくつから高い?

家庭血圧は、診察室で測る血圧より低めの基準で判断します。家では緊張が少なく、同じ人でも診察室より低く出やすいためです。基準と目標を、診察室の値と並べて示します。

区分家庭血圧診察室血圧
正常115/75mmHg未満120/80mmHg未満
正常高値115〜124/75mmHg未満120〜129/80mmHg未満
高値血圧(高血圧の手前)125〜134/75〜84mmHg130〜139/80〜89mmHg
高血圧135/85mmHg以上140/90mmHg以上
治療の目標(原則)125/75mmHg未満130/80mmHg未満

※2025年のガイドラインでは、年齢にかかわらず目標は原則同じです。ただし、体の状態(フレイル・要介護など)や副作用に応じて、医師が個別に決めることがあります。

家庭で135/85mmHg以上の日が続く場合は、高血圧の可能性があるため、医療機関で相談することが勧められます。1日だけ高い値が出ても、すぐに心配する必要はありませんが、数日〜1週間の平均で判断し、記録を持って受診してください。

血圧手帳と血圧アプリ、どちらで記録する?

記録の方法は、紙の血圧手帳でも、スマートフォンの血圧アプリでもかまいません。大切なのは、続けやすい方法を選び、朝と夜の値がそろった記録を残すことです。それぞれの特徴を比べると、次のとおりです。

記録の方法向いている人注意すること
紙の血圧手帳書くのが苦にならない人、スマートフォンの操作が苦手な人書き忘れに注意。受診時は写真を撮って添付できる
血圧アプリ(手入力)スマートフォンでメモをとる習慣がある人入力し忘れに注意
血圧アプリ(血圧計と連携)記録の手間を減らしたい人血圧計とアプリの対応を確認する

血圧計と連携するアプリを使うと、測った値が自動で記録され、グラフで変化を確かめられます。どの方法でも、朝と夜の値、測った日時、薬を飲んだかどうかが分かれば、医師が判断しやすい記録になります。

記録を医師に見せるときのポイント

家庭血圧の記録は、医師に見せることで初めて治療に生かされます。受診のときは、次の点をそろえておくと話が早く進みます。

  • 直近1〜2週間分の朝と夜の値:週5日以上の記録があると判断しやすくなります
  • 薬を飲んだ時刻と、飲み忘れた日:薬の効き方を判断する材料になります
  • いつもと違うことがあった日:寝不足、飲酒、体調不良、強いストレスなど
  • 気になる症状:めまい、立ちくらみ、むくみ、頭痛など

オンライン診療で受診する場合は、血圧手帳の写真、またはアプリの記録画面のスクリーンショットを問診票に添付します。数字が読めるように、明るい場所で撮影してください。

こんな状態が続いていませんか【セルフチェック】

家庭での記録が、治療に生かせる状態になっているかを確かめるためのチェックです。当てはまる項目を数えてみてください。

□ 血圧計はあるが、測るのは思い出したときだけ
□ 測る時間が日によってばらばら
□ 高い値が出ると、測り直して低い値を記録している
□ 手首で測るタイプを使っている
□ 記録を医師に見せたことがない
□ 家で測ると135/85mmHg以上の日が多い
□ 薬の量について医師と相談したいと思っている

2つ以上当てはまる場合は、測り方と記録の方法を見直し、記録を持って医師に相談してください。家庭血圧が135/85mmHg以上の日が続く場合も、一度医師にご相談ください。激しい頭痛や胸の痛み、手足のまひ・しびれなどがあるときは、血圧の値や項目の数にかかわらず、すぐに119番に連絡してください(迷うときは#7119)。

「記録はあるのに、通院の時間がない」なら、「おうち病院 オンライン高血圧外来」という選択肢

家庭血圧をきちんと記録している方にとって、記録を見せて薬を受け取るためだけの通院は、負担に感じやすいものです。おうち病院の高血圧外来では、すでに高血圧と診断されて治療を受けている方を対象に、家庭血圧の記録とお薬手帳をもとに、ビデオ通話で処方の継続や調整を行っています。とくに、1〜2種類の薬で血圧が安定していて、家庭で血圧を測っている方は、オンライン診療と相性がよいといえます。一方で、高血圧の最初の診断や血液検査はオンラインではできないため、健診で指摘されただけの方は、まず対面の医療機関を受診してください。

おうち病院の特徴

おうち病院の高血圧外来には、通院の負担を減らすための次のような特徴があります。

✅ 診察するのは全員が女性医師:

予約日時を選ぶときの「医師フィルター」で、医師を選んで予約できます。

✅ 時間通りに診察が始まる:

予約した時間に診察が始まるため、仕事や家事の合間にも予定を組みやすくなります。

✅ 平日・土日祝日も朝6時〜深夜0時まで受診できる:

最終の診察枠は23:45〜0:00で、予約は枠の1時間前まで受け付けています。

✅ 受診場所と薬の受け取り場所を分けられる:

処方せんは、全国8,200店舗以上の連携薬局から選んだ薬局へ送られます。自宅に届ける「おくすりおうち便」も選べます。

✅ 費用が事前にわかる:

診察料の目安とシステム利用手数料を、予約の前に確認できます。

受診費用の目安(保険適用・3割負担の場合)

オンライン診療でも、対面の診療と同じく健康保険が使えます。初診と再診の目安は次のとおりです。

項目初診再診
診察料(3割負担)1,000〜1,200円800〜900円
システム利用手数料1,100円1,100円
合計の目安約2,100〜2,300円約1,900〜2,000円
※おくすりおうち便を使う場合は、追加で900円(税込)かかります。薬代は薬局で別にお支払いいただきます。正確な金額は予約画面に表示されます。

処方できるお薬(すべて保険診療の対象です)

おうち病院の高血圧外来では、すでに処方されている降圧薬の継続を基本に、医師が診察のうえで処方を判断します。主な処方例は次のとおりです。

分類主な薬剤(一般名(商品名))市販での入手
カルシウム拮抗薬アムロジピン(アムロジン など)不可
ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)アジルサルタン(アジルバ)、オルメサルタン(オルメテック など)、テルミサルタン(ミカルディス など)不可

※上の表は処方例です。このほかの降圧薬の継続も、医師が診察のうえで判断します。
※麻薬・向精神薬に加え、抗悪性腫瘍剤・免疫抑制剤などのハイリスク薬は、オンライン診療では処方できません。血液をサラサラにする薬、糖尿病の薬、不整脈の薬などを飲んでいる方は、すべての処方を把握している対面のかかりつけ医での治療が適しています。

おうち病院 高血圧外来への受診の流れ

受診の前に、3か月以内のお薬手帳と、家庭で測った血圧の記録(血圧手帳、または血圧アプリの画面)をご用意ください。この2つが確認できない場合は、オンライン診療では処方できないことがあります。

  1. 予約:おうち病院のトップページ、または高血圧外来のページから、受診したい日時を選んで予約します
  2. 事前問診:いま飲んでいる薬と、お薬手帳・血圧の記録の写真を、問診票で共有します
  3. ビデオ通話で診察:血圧の記録とお薬手帳をもとに、医師が処方の継続や調整を判断します
  4. 薬の受け取り:指定した連携薬局で受け取るか、おくすりおうち便で自宅に届けてもらいます
  5. 経過の確認:家庭での血圧測定を続け、3〜4か月ごとに対面の医療機関で血液検査を受けていただきます

⚠ オンライン診療ではなく、対面での受診をお願いするケース

次に当てはまる場合は、オンライン診療ではなく、対面の内科・循環器内科での受診をお願いしています。安全に治療を続けるための線引きですので、ご理解ください。

  • 高血圧と診断されたことがない(健診で指摘されただけで、まだ治療を始めていない):診断には対面での測定や検査が必要です
  • お薬手帳で降圧薬の処方を確認できない、家庭で測った血圧の記録がない
  • 3〜4か月以上、血液検査を受けていない:腎臓の働きやカリウムの値を確認する必要があります
  • 高血圧以外の持病で多くの薬を飲んでいる、またはハイリスク薬を処方されている:複数の薬の調整は、すべての処方を把握しているかかりつけ医が適しています
  • 妊娠中、または妊娠の可能性がある:使える降圧薬が限られるため、産婦人科と相談してください

⚠ 血圧の値にかかわらず、激しい頭痛、顔や手足のまひ・しびれ、ろれつが回らない、胸や背中の激しい痛み、息苦しさがある場合は、ためらわずに119番に連絡してください。 救急車を呼ぶか迷うときは、救急安心センター(#7119)に相談できます。症状がなくても家庭で180/110mmHg以上が続くときは、当日中に医療機関に相談してください。

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この記事の監修

本記事は、おうち病院 医師チームが監修しています。医師チームは、産婦人科・皮膚科・内科などを専門とする医師で構成され、全員が女性医師です。記事の内容は、公的機関や学会のガイドラインをもとに医師が確認しています。

よくある質問

受診の前によく寄せられる疑問をまとめました。それぞれ、最初の一文で答えをお伝えしています。

Q. 家庭血圧の正しい測り方を教えてください。

A. 朝は起きてから1時間以内(トイレのあと、朝食と薬の前)、夜は寝る前に、いすに座って1〜2分休んでから測ります。上腕に巻くタイプの血圧計で1回に2回測り、その平均を記録します。毎日ほぼ同じ時刻に測ると、変化を比べやすくなります。

Q. 家庭血圧はいくつ以上だと高血圧ですか?

A. 家庭血圧では、135/85mmHg以上が高血圧の目安です。診察室で測る血圧(140/90mmHg以上)より低い基準で判断します。治療の目標は、原則として家庭血圧で125/75mmHg未満です。

Q. 血圧は1日に何回測ればいいですか?

A. 朝と夜の1日2回が基本で、それぞれ2回ずつ測って平均を記録します。受診のときは、週5日以上の記録があると医師が判断しやすくなります。

Q. 手首で測る血圧計でも大丈夫ですか?

A. ガイドラインでは、上腕(二の腕)に巻くタイプが勧められています。手首式は手首の位置が心臓の高さからずれやすく、値がばらつくことがあります。すでに手首式を使っている場合は、受診時に医師に伝えてください。

Q. 測るたびに数字が違うのはなぜですか?

A. 血圧は、時間帯、姿勢、緊張、トイレをがまんしているかどうかなどで、測るたびに変わるものです。測る時間と条件をそろえ、2回測って平均を記録すると、比べやすくなります。1回の値ではなく、数日〜1週間の平均で判断してください。

Q. 記録は手帳とアプリのどちらがいいですか?

A. どちらでもかまいません。続けやすい方法を選び、朝と夜の値、測った日時、薬を飲んだかどうかが分かる記録を残してください。オンライン診療では、手帳の写真やアプリの画面のスクリーンショットを添付できます。

Q. 家で測ると、病院で測るより低いのはなぜですか?

A. 家では緊張が少ないため、病院より低く出ることが多くあります。病院でだけ高くなる状態を白衣高血圧といい、家庭血圧の記録で見分けられます。反対に、家でだけ高くなる仮面高血圧もあるため、両方の値を医師に見せてください。

Q. オンライン診療では、家庭血圧の記録が必要ですか?

A. はい、おうち病院の高血圧外来では、家庭で測った血圧の記録と、3か月以内のお薬手帳の添付をお願いしています。記録は、血圧手帳の写真でも、血圧アプリの画面のスクリーンショットでもかまいません。

参考文献・出典

本ページは、次の公的機関・学会の情報をもとに作成しています。

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診療科目

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